内容説明
1930年代、ファシズムが勝利を収めた穏やかな時代。
北イタリア、コモ湖畔の町ベッラーノ、カラビニエーレの分署では、ロカテッリ憲兵(ベルガモ人)の眼前で、マンヌ曹長(サルディーニャ人)とミスファッティ兵長(シチリア人)がお互いにライバル心を燃やしていた。
そこへ、「小柄で、ネズミ色のコートを着て、胃の辺りに絶えず両手でハンドバックを抱えた」独身老女が面会したいとやってきた。
彼女は、盗難を届けにきたのだ。
一銭の価値もない品物についての奇妙な捜査が開始されたが、この事件が、失踪した後に再び姿を見せた弟、銀行員、高利貸し、ファシスト政権、美女、司祭、密売人などが錯綜する過去を明るみに出すことになる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴィオラ
3
「オリーブも含めて」よりもミステリー色が強かった。何の価値も無いような一枚の絵の盗難と、夜中に起きた墓荒らし。一見関係の無さそうな二つの事件が、ちゃんとリンクしていきます。「オリーブ」同様、他にもいくつも楽しいエピソードが入っていて、どこか明るくノンビリした雰囲気とキャラクター。特に、上司二人に挟まれて、あげくに「童貞」役として娼館に連れていかれちゃうロカテッリ君が良いキャラです。舞台も同じだし、マッカド准尉の名前が出てきたり、「オリーブ」を楽しめた人にはオススメ(^_^)2012/05/30
ラ・ラ・ランド
1
アメリカやイギリスの小説とは違う雰囲気で楽しめた。作者の他の作品も読んでみたい。2012/04/27