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内容説明
「ダイエットは明日から」「仕事をつい先延ばし」――
後悔するのをわかっていて目の前の快楽になびいてしまう、人間の本能とも言える選択のクセのメカニズムが、行動経済学と心理学によって解き明かされます。
「夏休みの宿題を後回しにする人は、喫煙・ギャンブル・飲酒の習慣があり、借金があって太っている確率が高い!」といった驚きの分析結果などを示しながら、ダメな自分を賢く誘導する方法や、喫煙・肥満・多重債務などの社会問題を解決する手立ても示します。
「自滅する選択」のメカニズムを説き明かし、改善策と対応策を考えだすための一冊です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
すーさん
30
やめたいのにやめられない。続けたいのに誘惑に負けてしまう。なりたい自分や目標があるのになかなか近づかない。本書では自分の目標から遠くなってしまう選択を自滅する選択と定義する。人はなぜ、目標を立てるとき、自分の弱さを正しく推測できないのだろう。明日から頑張ると決めたのに、いざその日になると過去の自分の約束を破ったことはみんな経験していることだと思う。自分の変えたいところを変えるのは本当に難しい。変われないから諦めるという選択がいやな人には本当に良書だと思う。個人的には何度も読み返す本の一つに決定した。2019/07/09
R
18
面白おかしい経済本かと思ったら、大変真面目な学術的な本でした。読むのにくたびれた上に、ちゃんと理解できていない。長期的視野と、目前の利益見積もりが矛盾するという、人間にありがちな選択について、その仕組みと内容、種類を網羅したあと、それらによって自滅する順序を解説していました。個人的には、少し知恵がついて、自滅しないために節制すると、それが教条的になって自縄自縛的な自滅をまねくというのが、親近感というか、自分のことだと思い知らされたりしました。面白いけど難しい本でした。2015/09/16
おおにし
10
自制問題を時間割引率の双曲性で説明しているところは自分の選択行動を振り返っても実感できる話です。しかし、自滅的な選択をどのように回避するかについてのヒントをこの本にあまり期待しない方がよいでしょう。特にここで紹介されている、国民の選択の自由を規制することなしに選択を長期利益の方向に誘導するという「リバタリアン・パターナリズム(自由主義的な父権的干渉主義)」という政策は私には全体主義につながりかねない怪しいものと感じました。2013/10/05
コダマ
9
《概要》暴飲暴食、喫煙、ギャンブルなど今だけの快楽にとらわれのは、健康や金銭の問題を後回しにしているととらえられる。それを本書では「自滅の選択」と呼んでいる。自滅の選択が多い人は借金をしやすい傾向にある。そもそも行動学的に人間には後回しをしたり利益と相反する行動を取ってしまう傾向があり、相当な意志力がない限り改善は見込めない。もし、改善しようと考えるならば自分の意志に関係なく長期的な行動が自動的に行われるような環境を作り、ゴールやノルマを短く小さくすることで習慣化することが大切である。2022/06/26
アルゴン
6
★★★★★下世話っぽいタイトルのわりには、最近読んだ何冊かの経済学の本の中で一番学術的でした。主に「双曲割引」という、近い時期の効用・損失をやたら高く見積もってしまうという性質について言及されていますが、双曲割引を検証したデータだけでなく、双曲割引が発生する要因となる現象や、双曲割引に対応するための施策についても言及しています。最後に「行動経済学だけでは根本的な解決はできない」とありますが、ここまでいろいろ言及されていると、行動経済学が発展したらそうでなくなる可能性もあるのでは、と思ってしまいます。2016/04/17