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内容説明
元気も食欲もなく近寄ってこない/来客があるたびに激しく吠える/家のなかで尿による匂いづけをする/自分のしっぽを追いかけまわすこれは「病気」? たんなる「悩み」? 臨床と基礎の両分野をこなす数少ない研究者として、国内外において双極性障害の研究を牽引している著者が、「うつ」について脳と心の両面から考えた意欲作。動物にも精神疾患はあるのか?――この疑問は、そもそも「心の病」とは何か、私たち人類はどうすればこれを克服できるのかという社会問題そのものである。毎年三万人が自殺で亡くなり、休職者の激増が取り沙汰されながら、じつは根本的な原因も確実な診断法や治療法もわかっていない精神科医療の実情。ただ話を聞いて「とりあえず抗うつ薬」では、真の問題解決にはならない。ひょっとしてうちのイヌ、うつ病!? 何も語らない動物を通して、「悩み」と「病気」の線引きの難しさ、心と脳をつなぐ研究の最新動向を読み解く。
目次
第1章 動物に「うつ」はあるのか―物言わぬペットの心<br/>第2章 なぜ、精神疾患は解明されないのか―動物実験には限界がある<br/>第3章 いま、精神科診療で行われていること―精神疾患の診断をめぐる落とし穴<br/>第4章 精神疾患を克服するためのロードマップ―臨床研究と基礎研究はどこまで歩み寄れるか<br/>第5章 動物実験の是非を考える―動物モデル研究は何をめざす?<br/>第6章 来るべき精神科診療のあり方―「心の病」はほんとうになくせるか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カッパ
17
考えてはみた。私はないと思っていた。正確には判断がつかないと。しかし、動物にもうつがあると思っている。いや、信じている人はいる。それは脳や遺伝子の問題が原因だと信じている人達である。それらが動物の間で作り出されたときがくると信じている。それにより、原因の解明や、治療方法も確立されるだろう。個人的にはこの本で紹介されたケタミンという薬が気になる。依存性が高いため必ずではなく入院患者にのみ使うなどは許可されたらなと思う。2018/06/29
fonfon
11
あれもこれも、と少しずつ触りが書いてあって新書らしい物足りなさはあるが、とにかくこれは、大いなる「希望」の書でした。臨床&基礎研究の歴史、現状、をざっくり紹介され、心の病を克服するためのロードマップ、そして「来るべき精神科診察のあり方」について、加藤先生のお考えが熱く語られています!5年後、10年後がとても楽しみになってきました。しかし、この題名でなくても良かったのに、と少し残念に思います。2012/06/07
けじ
4
加藤先生の著書ということで読んでみた。タイトルと内容にズレがあって若干戸惑ったが、考えさせられる点が多かった。 『「正常です」ということは、「病気です」というより何倍も難しいのです。』という部分が印象的。2012/06/28
うたまる
3
タイトルからてっきり獣医の書いた本だと思っていたが、著者は精神科医で疾患も人間寄りの内容だった。無論タイトル詐欺と言えるが、実験動物についての記述が全体の半分を占め、これはこれで不得手な領域のいい勉強になり結果オーライとなる。折角の実験動物での研究も信憑性に欠けるとか、そもそも精神疾患とは何ぞやとか、いくつも蒙を啓くことができた。中でも倫理面での問題は強く胸を刺し、あまりに残酷な実験内容には目を覆いたくなった。人類の福祉のためと著者は言うけれど、たかが人間ごときのために無体なことはしてもらいたくない。2019/09/11
たらこ
2
タイトルを見て興味を持った人には「あれ?」と思ったかもしれない。しかし、精神疾患の基礎研究と臨床研究の違いや今後の方向性について、わかりやすく著者なりの意見が示されている良書。「悩み」と「疾患」のちがいについては、考えなきゃいけない問題だよなぁと改めて。2012/10/08
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