内容説明
19世紀の終わり、ニーチェはこの先、2世紀がニヒリズムが徹底されていく過程と予言しました。その予言は的中。あらゆる「真理」の根拠を失った近代人は、ますますおかしな袋小路に閉じ込められるようになりました。政治やJポップ、グルメ、経済などを素材に、「なぜいまの世の中はおかしいのか」を明らかにしていきます。B層=近代を妄信するバカの行動パターンを分析することで、今の時代の病を浮き彫りにします。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
🐷 こ ぶ 🐖
26
ちょっと極端過ぎるな…という考えや過激な表現も多々あった。しかし一方成程と思う事もあった。キリスト教的精神概念がいつの間にかこんなにも私たちに影響を及ぼしていたのだな。私は明らかに大衆、B層なのであるが、せめて自分がB層の人間であることをきちんと弁えたB層で居たいものだと思った。2015/07/18
それん君
20
ポピュリズムの危険性についてはわかりますが、この本を読みすぎると他人をB層と批判して優越感に浸り、自分がB層であることに気づかない腐った人間になりそうです。自律する心を持って読まないと自らを知識人だと勘違いし驕った妄言を吐きそうです。そもそも専門家でもない一哲学者の分際で一流の料理とか一流の芸術、一流のコーヒー、一流の音楽がわかるなんて。一流はこの人の専売特許ですか?一流も随分と安くなったもんですね。2017/02/02
さきん
19
19世紀の終わり、ニーチェはこの先、2世紀がニヒリズムが徹底されていく過程と予言しました。その予言は的中。あらゆる「真理」の根拠を失った近代人は、ますますおかしな袋小路に閉じ込められるようになりました。政治やJポップ、グルメ、経済などを素材に、「なぜいまの世の中はおかしいのか」を明らかにしていきます。B層=近代を妄信するバカの行動パターンを分析することで、今の時代の病を浮き彫りにします。2016/02/17
かず
16
前著「ゲーテの警告」から続けて読んだが、有体に言って只の悪口なので辟易とさせられ、130頁目で止めた。B層批判から始まりキリスト教批判、大衆批判と批判のオンパレードである。所々で「教養」と記されているが、私は「教養とは物事を批判的に見て偏見に満ちることではなく、逆にあらゆるものを受容していくためのものではないのか」と感じた。「分別」という言葉がある。文字通り物事を分けて理解することを言うが、仏教では悪い意味で使う。物事を分別すると相対化され、それが軋轢を生む。本著も分別して訳知り顔で他を叩く。感心しない。2017/08/15
Carlyuke
15
副島ニーチェ本を読んでから適菜収の本を何か読んでみたくなった。ニーチェがどんなことを言っているのか, この著者はどんな風にニーチェを語るのかに興味があったので, ある程度は満足。今読むには古い話題もあるが言いたいことは分かる。刺激を受け, 納得できる部分もある。またすんなり受け入れがたいという箇所もある。もう少しこの著者の本を読むつもり。ニーチェについてはしばらくゆっくりとつきあってゆこうかと思う。ユングやユング関連の本では自分にとってニーチェ理解がボトルネックだった。少しとっかかりがつかめきたような気が2017/06/30