内容説明
1977年、後に開高健の代表作となる『オーパ!』の旅に同行し、33年後彼の地を再訪した担当編集者による、アマゾンと作家の思い出。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さっと
6
「オーパ!」シリーズに同行した編集者による回顧録。単に小説家との旅をたどりなおすわけではなく(アマゾンが舞台なのでたどりようがないw)、編集者の目にうつった当時の旅のようすや小説家のことばがつづられる。このアマゾン行きから33年後にも鮮やかな記憶として残っているあたり、そりゃ「オーパ!」自身も新しい読者を得て読まれ続けているわけだ。2018/10/26
Toshi
5
「オーパ!」の旅に若手編集者として同行した菊池氏が33年後にアマゾンを再訪し、自らの青春と開高氏や旅の仲間との親交を回想する。旅の仲間は、開高氏を始め、カメラマンの高橋氏、菊谷氏と既に鬼籍に入り、菊池氏もまた病魔の影に怯えながらも旅を決行する。何と素晴らしきセンチメンタル・ジャーニー!リアルタイムで「オーパ!」に胸を躍らせた僕らアームチェアー冒険家は、今再び菊池氏にその思いを委ね、ともに「オーパ!」を歩くのである。2012/11/03
Kajitt22
4
「オーパ!」の33回忌。小説家、開高健が生き生きと描かれている。読み進めると、甘酸っぱい、懐かしい思いがわいてくるのは、作家菊池氏と同世代だからだろうか。さっそく本棚にあるはずの「オーパ」を探すが、「フィッシュオン」、「オーパオーパ」はあるのに、見当たらず、もしかして未読かと思い、文庫版を購入した。 写真を見ても既視感はなかったのに、本を開いた第一章から開高健の文章は読んだ当時を思い出させた。2013/03/21
DEE
3
オーパの旅に同行した菊池氏の物語。 アマゾンの地を再訪し、当時の様子を振り返ったり、開高健との思い出を反芻したりと、単なる旅物語ではない、いわばオーパのスピンアウトといってもいいかもしれない。 開高健のような男と旅をすることは、人の一生を大きく変えてしまうくらいの大イベントなんだろうな。 そういう経験をできた人を心から羨ましいと思う。2012/07/31
みっちゃんパパ
2
大好きな文豪・開高健の手による紀行文の名作、オーパ!を初めて読んだのは、大学生のときだった。その頃のは既に文庫化されていた。この本は、オーパ!に同行した編集者が、旅の再確認も含め、改めてアマゾン流域に出掛け、当時を考えた作品である。この作品を読むと、文豪が何を書くかではなく、何を書かないかという、鋭い感覚を持ち合わせていたことがよく分かる。2012/04/07