内容説明
小林深雪『卒業までの24時間』……東京に住む高校三年生の若葉は、突然彼氏の孝之から、京都の大学に行くと告げられる。勝手な決断に傷つけられ、口を聞かないまま、卒業式前日を迎えていた。このまま離ればなれに!? 残された時間は、たったの24時間! 他にも、福田隆浩『アフロとチビタと青空と/石川宏千花『牛嶋のはなうた/河合二湖『ガラスの教会、銀の竜』/如月かずさ『りんちゃん先生にさようなら』を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめありす@灯れ松明の火
29
五つ揃ったピンク色のハートの花びらが、ちらちらと散る。白というには色がつき、紅と言うには淡すぎる。離れていく心の欠片。名前さえつかなかった想いがある。憧れ、妬み、惑い、恋い、友情。重なり合った無数の花が、今散っていく。あるものは遠く、あるものは近く。もう重なることもないかもしれない。けれど、ちらちらと散る花びらが笑う。くっついてセーブしていたものが離れるだけだから。もういいんだよ。もっと自由に心を解放していいんだよ。と。だから。だけど。今、一番言いたいことを心から言おう。きみがすきだった。だいすきでした。2012/12/05
スノーマン
17
久しぶりにこの青春アンソロジー。やっぱり若返る〜(気持ちが) 確か中学校の卒業の日は合格発表だったので不安もあったけど、とにかく中学生という堅苦しい枠から出られるのは嬉しかった。このアンソロジーで一番好きだったのは『牛嶋の鼻歌』ネチネチしてない、はっきりとした女子たちが良い。主人公みたいな子がクラスにいたら、風通し良いクラスになりそう。2020/09/03
白雪ちょこ
13
卒業に関する、短編集全5話となっている。 表紙のイラストも、爽やかで可愛らしい。 個人的には、「牛嶋の鼻歌」「アフロとチビタと青空と」が一番良かった。 何に対する卒業なのか、後悔や葛藤、青春、いじめなどが、生々しくも作者それぞれの個性豊かな文章で描かれていた。 アフロというところがインパクトもあり、昭和チックなヤンキー風だったが、チビタのことを一生懸命思っている姿が、男気溢れてかっこよかった。 こういう個性的な子いるよね、という親近感も沸いた。2024/03/08
橙夜(とうや)
10
5人の作家が「卒業」をテーマに書いたアンソロジー。第2ボタンとか‥懐かしい!と思いました♪あと、進路で悩んだ事とか、友達と離れてしまうこととか。一番良かったのは、福田隆浩さんの『アフロとチビタと青空と』です。こういう友情は、すごくいい。本の表紙と裏表紙の絵は5つの作品の登場人物達なのもいいな♪アフロくんは裏表紙にいます。2015/03/08
爽
9
小学生のときに読んでいた小林深雪の名前を発見して、懐かしくなったので。「牛嶋の鼻歌」と「アフロとチビタと青空と」がよかった。いつになっても卒業は感慨深い。悲しさと嬉しさが溢れて、なんとも粛々とした気持ちになる。でも、私はそれだけだったな。高校でも中学でも、そのとき過ごしたその場所はその後の人生の中で何よりも大切だった、と彼らの将来にそんな想いがふと浮かんでくるに違いない。2012/07/22
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