内容説明
たったひとつの譲れない想いのため、鷹崎駆真は巨大ロボット<<言(ロゴス)>>に乗り込んだ。「駆真、行きます!」何故、そこまで? 問われれば答えよう。全ては授業参観のために――と。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星野流人
15
愛する姪っ子の在紗のために駆け抜け続けた鷹崎駆真の物語「蒼穹のカルマ」シリーズも、遂に完結。今回はシリーズ第1巻と同様に“在紗の授業参観に間に合わせるために全ての厄介事を片付ける”という話の流れながら、1巻以上に厄介な障害が次々と発生する。やや駆け足ながらもシリーズ全ての伏線を回収し、またオールスター勢揃いで突き進む最終巻は、読んでいて楽しかった。登場人物の誰もが笑っている幸せなラストで、非常にカルマらしい楽しい1冊だった。今巻初登場の神無が実におもしろ可愛かった。2012/07/06
METHIE
11
一学期の授業参観に失敗したので今度の二学期の授業参観を成功するためにカルマが立ち上がるが。 かなり綺麗に終わったなぁという印象、神々という強引なところはあるものの伏線回収率はかなり高い、ライトノベルの中で8巻というのは中くらいの物語の大きさなので回収率が高いと思われる。 あとこれ非常に重要な事なんだけどアリサが物凄く魅力的なヒロインでカルマや魔王が一致団結するあたり説得力がある。 そしてアリサの父親が物凄く平凡な外見というのも意外だったなぁと。 2014/08/13
KUWAGATA
11
構成力や斬新な設定は光ったが、アリサさえよければ後はどうでもいい利己主義者のカルマ、叔母べったりで両親なおざりのアリサの両ヒロインに全く共感できなかったため、最後まで心から楽しめなかった。特にカルマの視野狭窄で、どれだけの人間が迷惑を被ってきたか。むしろマキナの方が人間臭く生き生きしていて、よほど共感できた。とうとう最後まで悲惨な目にあっていたのが、不憫でしょうがなかったけどw ウタは終盤、驚いたけど、その絵がなかったのが残念至極。ウタ可愛いで読んできたところがあるだけに、もう少し活躍が見たかったです。2012/10/31
Monto PASO
10
授業参観で始まり授業参観で終わった物語。最後は、かなりの駆け足だったが、全ての世界のカルマも復活して無事大団円。ちょっと残念なのは、カルマのキャラが当時のインターネット掲示板の悪ノリの影響を受けすぎて、抽象化しすぎてしまった気がする。でも、全編通して、満足したし笑わせてもらったし感動もした。まだ冬香との半年間のタイムリミットもあるし、一回も登場しなかった蒼穹園の女王様の存在も気になる。ぜひとも続きを書いてほしい。2019/12/17
愕天王
9
駆真の駆真による在紗の為の物語、ここに完結。何が凄いってこれまでの全巻を通し、例え一巻でも欠けていたら授業参観には出席出来なかった事。原題は『全ては授業参観の為に』まさにこの一言につきる作品と思いますw伏線でもこじつけでも、この構成力には感嘆です。駆真というキャラも、粗暴で我侭で在紗独尊。ともすれば不快キャラに成った事でしょう。しかし、最後まで貫いた歪みの無さ。良くも悪くも芯の通った彼女は、とても魅力的でした。カオスで愉快な馬鹿騒ぎ、終わってしまうのは寂しいですが、とても大好きな、お気に入りの作品です。2013/05/07