内容説明
心理学は内面と外とのズレから、精神医学は脳と行動の異常から「狂い」を探るが、本書では「狂うこと」の本質を、人が人たる所以に見て、迷路から逃れ出ることのできぬ様を真正面からとらえようと試みる。《精神学》と銘打った全く新しいアプローチは、人間の物語性を、おとぎ話やマンガ、TVドラマや映画から取材して、正気と狂気の境を縦横にさまよい巡る。なかでも《異形の英雄》論はユング派の著者「構想十年」の深奥の力作!
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目次
序章 抱きかかえられた狂気
第1章 「なぜ」への問い
第2章 「狂気」への問い
第3章 「客観」の存在不可能性
第4章 神格からの脱却―人間はすべて「ボーダー」であり「ボーダー」にある
第5章 迷路をさまよう者たちへ―ハエとり器からの脱出のために
終章 精神医学から精神学へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒデミン@もも
31
自我のコントロールが失われる時。2016/08/14
彩灯尋
3
専門の知識0で読み始めてしまったのでとても難しかった。人格障害は時に人格障害状態ということもありうる。自分の強い思い込みによって引き出されている場合もあるので「状態」だだったりするのか…精神的なものであるために、その判断が難しそう。精神は神などの宗教的なものにも絡んでくるために、いろんな方向への多大な知識が必要であり、今の私には到底理解できそうにない。もっと知識がほしい、と切実に思わされる本だった。2015/07/21
えるたそ
2
これ再読したら処分するつもりだったんだけど、どうやらできそうにない つもりだったが いつのまにか無くなってた2017/09/04
きりさめ
1
文章そのものの美しさに惹きこまれた。精神医学の専門用語がちょくちょく出てきて意味が汲み取れないところもあったけれどさまざまなジャンルの作品(そのなかでも映画『ゴールデンスランバー』が出てきたのがとても嬉しい)で例に挙げて説明されていたので楽しく読めた。「狂気」はどこへ向かえば良いのか、最後に記された著者の解答は現実的なのかわからないがとにかく好きだ。2016/04/24
とりこし
1
いろいろな書籍の例え話や著者本人の源体験とそれを踏まえた考えなどが読みやすい。というより、好きな文体でよかった。 専門用語もある程度分かりやすく書いてあって分かりやすかった。言い回しが好き。2013/09/15