内容説明
神槌に反乱を起こされた薙古之国に後はない。しかし唯一希望が残されているはずの環天之国に交渉役として派遣されたのは依守也という青年ひとりだけで? 特別賞受賞作に続く第二弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
秋製
8
今回は、よその島(国)にちょっかいばかりかけていたある国の話になります。一度は手に入れたが国力を回復され手出しできなくなったしまい、自国が危機にさらされていた。自国の災獣が大暴れして後がない薙古は、環天に一縷の望みをかけた交渉をするために一人の役人を派遣します。その者の名は依守也。見た目から頼りない彼は環天で運命的な出会いを果たし、自国の災獣と向き合うまでに心身ともに強くなっていきます。最後のほうは依守也は違った意味で、元から強かったのだろうなと思ってしまう展開でした。2012/10/28
シュエパイ
7
搾取と支配を続け、国を焼き喰らう災獣・震魚を恨み続けてきた国・薙古に生まれついた青年仕官。年中移り住みながら恵みを得ることを幸福とし、国を焼き跳ねる災獣・焔馬を崇めてきた国・環天の1氏族の長を勤める娘。きっと交わらないはずの人生、二つの価値観が重なり合って、それぞれの国を災獣から救う物語でした。あぁ、1巻目とだいーぶ方向性が変わりつつも、面白かった!そう、1巻目で判っていたことではあるけれど、災獣の心や気持ちが、見た目に惑わされていただけに胸に迫るのです。感謝を、愛を、ただそれこそが望みなのですね……。2012/01/30
39@中四国読メの会コミュ参加中
6
犬って良いですよね。わんこ大活躍の巻です!…まぁそれはメインでは無いですが。災獣を敬う環天と災獣を憎む薙古との対比が描かれていて、だからこそ震魚の言葉が切ない。震魚を恨んでいた主人公が選んだ最後はハッピーエンドとは言い切れない部分もあるけれど、前向きな道である事は嬉しい。(芯の強い小心者ならでは?)前作の主人公がチラッと出てきたのはビックリ。立派になったんだねぇ(笑)2012/02/09
cgatocairb
4
B犬は可愛い。他国を侵略しておいて、庶民の主人公まで相手を見下してたのに驚いたが、他国民を植民地にして搾取するのはこういう思考なんだろうな。災獣に見捨てられるわけだ。他国の災獣には詫びれても、自国の災獣には詫びの一つも無しか。先ずはやってきた事を詫びてから恨み言を言って欲しい。2015/02/19
乙浦(おとうら)
4
情けないのにキチンともっていく依守也ずるい!!流火がオトッコマエすぎる!かっこいい!などと叫んでいいるうちに読了。内容の重さはかわらないのに1巻にくらべて軽くよめた印象なのは主人公のせいなのか、意外な展開が少なかったせいなのか。結局のところ何の解決もしていないけれど、でも納得できない終わり方ではない。1巻で気になっていた瑞雨のその後等々、神槌のその後にも少し触れてくれていたのが嬉しい。次の巻が最終巻、薙古のその後も含めてどうまとまるのかその辺も気になる。2013/04/08