内容説明
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神の姿が投影された、翁と媼の役割とは-神の世界から人の世界へと流れ込む信仰・思想から、源氏物語に隠された系譜と構造を鮮やかに描き出す。
目次
第1部 翁と媼の源氏物語(媼の鬼-隠された女系の世界
翁の思想-流れ込む伝承・伝説
山の神を生きる-明石君
六条院-隠蔽された正妻)
第2部 神ならぬ人の物語(反復する物語
柏木の物語-神ならぬ人のドラマとして
薫と大君の物語-タブーのない世界で)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちぃ
4
重要な一冊。大君の呼称はのちに「姫宮」となる。さかしく思ひしずむ心も失せて。2024/05/25
鳩羽
2
なぜ翁は清げなのに媼は醜く恐ろしいものなのかという点から出発した源氏物語論。出来上がった作品として源氏物語を解釈し構造を明らかにしていこうとしているので、素直に読んで素直に面白かった。明石の系譜はどんどん血筋的にたかみに登りつめていき、物語はどんどんただの人のドラマとなっていく。雲の上の夢物語を読んでいたはずが、いつのまにか目の前のリアルな出来事を読むことになるのかもしれない。2012/01/31