内容説明
江戸時代から現代へ、不思議な竜巻に運ばれてタイムスリップした十七歳の甲賀忍者・望月小平太。組織暴力団に牛耳られる町で、高校生となった彼は、野球部に入部。超常の忍法で悪を懲らしめ、廃部寸前の弱小チームを甲子園出場へ導く。時代を超えた正義の活躍を描く、伝奇的青春小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TheWho
10
中・高校生の頃迄大ﾌｧﾝだった森村誠一。随分ご無沙汰だったが、彼には似つかわない本著を見かけ思わず購入した作品。江戸時代世間に取り残され己の存在価値を自問自答する甲賀忍者の若き主人公が、ひょんなことから現代にﾀｲﾑｽﾘｯﾌﾟしてしまい、高校野球や保護してくれた家族を守る事に己の忍法の存在価値を見出し奮戦する伝奇青春物語。現代に忍者が蘇ったならばこの様な展開になるのかと関心しつつも軽いﾉﾘの展開には、著者の変遷を垣間見た様な気分になった。ともあれ一気読みの面白い一冊です。2017/06/03
Yushi Suzuki
10
駅の本棚に入っていたのでたまたま借りて読みました。忍者の話かと思ったら忍者の小平太君がタイムスリップ。忍者ハットリくんみたいに一般家庭と同居して、その町のエースベースボールプレイヤーになります。もっというと、居候している家を守る、アメコミヒーローもののようになります。僕がこの作品に言いたいことは、そんなヤバイ学校にいるなら早く転校しなさい。そんな酷い町にいるなら早く引っ越ししなさい。2016/09/07
よねよね
4
森村誠一さんってサスペンスとかでよく見かける名前だけど、これは推理物じゃない！基本は忍者×学生青春物×野球です。そして、終盤は忍者×選挙なお話。悪者が絵に描いたようなとんでもない悪者ども（暴力団、暴走族、暗殺者、悪政の暴君、悪者番長）。タイムスリップした忍者小平太が懲らしめちゃいます。野球の描写は長さ控えめな感じですがこちらもとんでもないプレイを見せます。普通にテレビ中継されたらビックリな野球。エース新島！立ち上がり悪すぎる(笑)この作品、小説よりも漫画がいいですね。そして昭和50年代テイストな設定。2013/04/02
ぱぷお
3
この本を20年以上前に読んだことがあるのですが、古本屋で見付け、懐かしくなり再読しました。2度目の再読です。とてもテンポの良い快作です。一気に読破出来ました。忍者の青年が現代にタイムスリップして活躍します。ラストは（読者の願いと）余韻を残したまま・・・。この本を書店で見かけることはなくなりましたが、中高生でも楽しく読めるすばらしい作品だと思います。2014/11/03
