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内容説明
英語圏の国々では現代哲学の主流であり続ける分析哲学。しかし、日本ではその存在感は薄い。その現状が「限りなく号泣状態に近いくらい悲しい」と嘆く著者による、渾身の入門書。「ある」とはどういうこと? 「知っている」とは? 「心」とは? 「物」とは? 分析という「理屈」を武器に、そしてユーモアを隠し味に、哲学的思考へとあなたをいざなう快著! (講談社選書メチエ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白義
13
分析哲学とは、概念の論理的分析を通してある、とか知ってる、とかそういう話が結局何を言っていて、どう捉えればいいかを考える思想。この本はいきなり始める分析哲学という感じで、普通の人が使いわかる普通の言葉で、分析哲学のトピックを解説した、未だ少ないこの分野の本格的入門書。学説史的な補足は最小限に、議論を展開していくので、入門だけど中身は結構ハード。分析哲学には、カラッとした明るさがあると著者が言っているが、本書にも端々にそういうすっきりしたユーモアが感じ取れ結構笑える。感じのいい好著2012/02/06
ヨミナガラ
12
“「赤」〔…〕などの単語の意味は、直接経験の感じ以外の何ものでもない。よって直接経験の感じそのものが異なれば、単語の意味も異なる。ところが、楡とブナは知覚の感じではない。木である。〔…〕光合成とかいった機能的概念が要る。〔…〕シンプルな直接知覚の感じの概念からそのような複雑な機能的概念までの距離が、公けに分かち合われている言語の優位性の源なのである。逆にいえば、直接知覚の感じのシンプルさが、公けの言語の意味の圧力に屈しないプライベート言語独特の意味を擁護する砦でもあり、かつまた限界でもあるわけだ。”2014/08/13
evifrei
11
概念を分析する哲学という性質を持つ分析哲学の入門書。入門書ながら基本事項は押さえられており、ユーモアに富んだ語り口でしっかりと分析哲学のスタート地点に導いてくれる。分析哲学は明るくドライで、象牙の塔に篭った哲学とは異なるというのが著者の考え方だ。正に分析哲学の特徴をついているように思う。快活で論理的な哲学が好きだが、大陸系の哲学は何となく好みじゃない人にもしっくり来る哲学体系かも知れない。本書は他にシリーズとして中級・上級者向けの分析哲学の概説書が用意されている。ついていけるか不安もあるが、楽しみだ。2020/01/13
Gokkey
10
そうかこういう取り組みをまとめて分析哲学というのか、というのが率直な感想。本書は入門とあるように、個々の章でトピック的にテーマが紹介される。そのテーマの解決の過程で数理学的な方法論や思考実験を含みながら、問題の本質に切り込む、そのプロトコルこそが分析哲学という「方法論」なのだと理解した。ただ、著者の後書きにあるような「鳥肌が立つほど面白い」とは残念ながら思えなかったので、続いて中級編と上級編を読んでみたい。2020/05/16
NICK
8
これまでとは逆に英米で主流な思潮だという分析哲学についての入門書を手に取った。この本では専門的な用語はほとんど使われない。ギョーザのたれのしみだとか淡路島と琵琶湖の大きさだとか、卑近な喩えをあげることで分析哲学的な問題が身近に存在しうることがわかる。ポストモダン思想は諸分野の知を軽やかに接続するという印象があったが、分析哲学は「分析」の名の通り論理学や数学といった厳密性のある(だろう)議論を用いて可能世界であるとか物や心の実体といった一見素朴に見える概念に迫っている。分析哲学の考え方を知るには良い内容だ2012/05/13
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