内容説明
平清盛の娘、許されぬ愛の遊戯。「あなたがいたから、死ねなかったのです」。清盛の娘・徳子が、平家でただ一人生き残ったのは偶然ではなかった。禁忌を恐れず、憎むべき相手を愛してしまった女の懊悩とは――。後白河法皇の強さに惹かれた女の生涯。長編歴史ロマンス。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
41
切なくて胸が締め付けられそうになりました。平清盛の娘であり、安徳天皇の母親でもある徳子。平家が滅びる中で自ら生き延びたことは辛い思いでしょうね。ただ、徳子の生涯を見ていると、芯の強い女性だという印象を受けました。改めて『平家物語』が読みたくなりました。2022/08/06
ともとも
32
平清盛の娘であって、高倉天皇の中宮でもある徳子。 作者の思惑?思い入れなのか? 最初の煌びやかさから、一挙にという感じが、ギャップが、 どことなく運命に翻弄された女性、そしてドロドロした感じというのが 強調して描かれていたかの様にも見受けられました。 それでも、人の儚さ、もの悲しさを痛感しながらも、一生懸命に 生きた女性、人間の強さと優しさも感じとることが出来ました。 時代背景、人間描写が巧みに描かれていて、さらには人の運命、時代というのを 深く考えさせる1冊で良かったです。 2015/12/27
真理そら
16
平家物語の山場?を押さえながら建礼門院徳子の一生をまとめた小説。後白河はどんな作品でも不気味な感じで描かれるが、この作品の、徳子の目から見た後白河はある意味魅力的に描かれているため一層不気味で私好みだった。2018/08/29
伯爵夫人
4
高倉帝の奥さんで安徳天皇のお母さん。ちょっと天皇家がごちゃごちゃしてるので家系図作りながら読んだ。壇ノ浦で入水するも源氏方に助けられその後は出家して一族の菩提を弔う。単純に敵方に助けられるって、目の前まで源氏が来てたってことだと思うとこわいな。坂東武者はこわい。ちょっと後白河と建礼門院の距離感が特殊で、何とも。ただ彼女が我慢に我慢を重ねて、最後自分の思う人生を少しでもつかみ取れたらなと思う。2025/07/24
鳩羽
3
平家の総領娘として清盛の長女として、伸びやかに鷹揚に育った徳子。少女の頃からほのかに特別な縁を後白河法皇に感じながらも、その子である高倉天皇の元に入内する。平家の興亡とともに激しく翻弄される徳子の人生は、六道に例えられるほどに波乱に満ちている。その折々に法皇への愛情があり、悩みがあり、解決できない不変の男女の問いがある。一生がぞっとするほどあっという間で、めまいがした。2011/11/14
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