講談社学術文庫<br> 大清帝国への道

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講談社学術文庫
大清帝国への道

  • 著者名:石橋崇雄【著】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 講談社(2014/11発売)
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  • ISBN:9784062920711

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内容説明

従来、「異民族の征服王朝」もしくは「最後の中華王朝」とのみ捉えられてきた清は、満・漢・藩の「三つの貌」を持つ帝国だった。ヌルハチが統合した北方の一小国は、やがて長城を越えて北京に入城し、さらに中央アジアを制圧、康熙・雍正・乾隆という三帝のもとで最盛期を迎える。満洲語史料を読み解き、現代に続く多民族国家の形成過程を解明する。(講談社学術文庫)

目次

序章 天安門から満漢全席まで──大清帝国と現代中国
第一章 三つの貌を持つ帝国
1 双性の王朝──「夷」と「華」の二面性
2 三重構造の帝国
3 清朝をどう捉えるか
4 六つの発展段階
第二章 民族統合・建国から大清国の成立──初代ヌルハチと第二代ホン=タイジの時代
1 マンジュ国の樹立
2 アイシン国の形成──八旗制の創生と遼東への進出
3 ホン=タイジのハン即位──革新と保守の軋轢
4 アイシン国から大清国へ
第三章 中国内地への進出から絶対君主権の確立へ──第三代順治帝・第四代康熙帝・第五代雍正帝の時代
1 入関と順治帝の親政
2 康熙帝──中国内地統一
3 ネルチンスク条約締結──国際法との遭遇
4 雍正帝──絶対君主権確立
第四章 最大版図の形成──第六代乾隆帝の時代
1 支配領域拡大の陰で
2 中央アジア地域への進出──藩部の成立
第五章 「華夷一家」多民族王朝の確立
1 大清帝国繁栄の光と影──『四庫全書』と文字の獄
2 夷から華への返答──雍正帝の『大義覚迷録』
3 「華夷一家」=大清帝国の世界観
終章 帝国末期の改革と保守──大清帝国から満洲国へ
1 アヘン戦争と太平天国──守成期から守勢期へ
2 最後の改革と保守──慈禧皇太后と漢人官僚の時代
3 大清帝国の残したもの
補論 時代区分──新たなる「清初期」
『賢行典例』(抄)
参考文献
あとがき
学術文庫版あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

69
おおよそ260年の長きに渡り中国を支配した清。本書はその成立から康熙帝・雍正帝・乾隆帝の最盛期、そして滅亡までを描く。ここでの最大の特徴は清が異民族王朝として中国を支配する上で最大の問題の「華」と「夷」を中心に論じている事と、満・華・藩の三重帝国としての側面を描いている事かな。特に「華夷一家」やそれに準じての先帝の著書の発禁とか、割と清事態の中のぐだぐだ感も感じられて面白い。逆に末期は通説をまとめたものとなっているが、こういう過渡期の歴史って面白いのでこちらも満足。中国最後の王朝の歴史、面白かったです。2021/07/08

崩紫サロメ

23
清朝を「華に代わる夷が華夷秩序統合の夢を実現させた「華夷一家」統一多民族王朝」と捉え直し、それが現代中国の統治の基盤となっていくということを辿る。従来清は入関前と入関後で断絶する(=中国史の一部となっていく)と捉えられていたが、父・石橋秀雄氏の清初論や、壇上寛氏の元明連続論などを継承し、清朝が中華世界をも内包する一世界に過ぎない「華夷一家」(正確には夷華一家)の世界帝国として描く。壇上氏の『永楽帝』と併せて読むとより面白い。清の時代区分論や開国伝説も収録されており、興味深い。2021/04/26

coolflat

16
清の領域拡大過程がよくわかる。清朝の領域拡大過程は6つの大きな段階に分かれている。①ヌルハチの属していた建州部統合の象徴であるマンジュ国の樹立。②東北部における女真族統合の象徴であるアイシン国の形成。③大清国の成立。④四代康煕帝による中国統一。⑤支配権確立の象徴である五代雍正帝による絶対君主権確立。⑥その支配権確立を背景とする藩(モンゴル・チベット・ウイグル)併合の象徴である六代乾隆帝による最大版図の形成。最終段階はその完成部分のみならず、中国に君臨する王朝の中でイスラム世界の一部を支配下に唯一収めている2020/03/06

MUNEKAZ

10
ヌルハチから乾隆帝までが中心の一冊。もともと部族連合から始まった後金が、満・漢・蒙を中心とする多民族国家「大清国」へと発展していく中で、夷が華を統治するという実態をいかに論理付けしていったか、そして満・蒙の部族連合的な色彩の強い宮中で皇帝権の確立をどう進めたか。元朝以来の征服王朝でありながら、明朝の後継者としての色合いも持つ清朝だけに、その民族的な緊張への対処が革新性や活力を生む原動力となったのは興味深い。またウイグルや内蒙古ら藩部への扱いが、現代中国の自治区へとつながっているというのも面白い。2017/09/16

chisarunn

5
面白いよ!中国史。この本は「清」に関してだけだけど、民族と王朝の関わり、大帝国の成立にその二つがどう影響しているのかがよくわかる。中国史、をさらっと全部読み通したくなったので、どの文庫(持ち歩くので)にするか迷っている。「中国文明の歴史」(中公)が面白そうなんだけど書店にないしなー。「中国の歴史」(講談社)これもよさそう…と楽しい迷いの日々。2025/03/10

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