内容説明
笑う哲学者、土屋賢二の渾身の書き散らし!
「人生は無意味だ」「能力は伸ばせ」「歴史に学べ」「目的をもて」……。どれもこれも疑わしい!
われわれは不幸を避けようと努力しますが、どれほど力を尽くしても不幸は避けられません。どんな人でも老いるし、病気になるし、最後は死にます。全力を尽くしてもどうやっても避けられない不幸な出来事に襲われたら、じっと耐えるしかないんでしょうか。そんなことはありません。まだ笑うことが残っています。
この本を読めば、幸福にはなれませんが、不幸になる可能性はだいぶ減ります。たぶん。
目次
第1章 人間は考えるのが苦手(哲学は幸福と無関係ではない 哲学は疑う ほか)
第2章 どうやって主張するか(発言者の権威 自然が権威 ほか)
第3章 どうやって意見の違いを調整するか(相対主義 意見の違い ほか)
第4章 どうやって生きるか(能力 目的を追求する生き方 ほか)
第5章 どうやって笑うか(一面性 都合のいい描写 ほか)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちさと
27
本書はユーモアエッセイではない。哲学書でもない。まして領収書でも始末書でもない。ユーモア哲学書とでも言えばいいのでしょうか。土屋先生は、人は考え方次第で自分を幸せにも不幸にもできてしまうという。どんな価値観を採用するか、無限の側面のある人生のどこを取り出して描写するかで決まる。それから不幸を乗り越える何より有効な方法は「笑い」であると説きます。「意見の相違の調整」についての話も興味深かった。土屋先生の普段の疑い深く自虐的な性格が、本書でしっかりと説明されています。2019/01/19
thee birdmen
25
不幸だとか、恥ずかしいだとか、そういう感情を募らせて殻に閉じこもるくらいなら笑い飛ばせばいいと説く本。 読み終えて一番面白いのは最後の著者自己紹介の文章だった。フリオチ上手く効いていて、こういうの嫌いじゃないです。 咄嗟にしてしまう失敗に対してユーモアで切り返すのは、すごく高等テクニックに感る一方、過去の失敗なら咀嚼して面白く組み立て直すのは案外俺出来てる方なんじゃないか、と思う。 2019/05/09
亀太郎
25
笑い、ユーモアは、ものの見方を変えることができる人間の自由の上に成り立っている。2012/05/22
tetsu
22
★4 笑えるエッセイで有名な土屋先生、今回は哲学の本です。 とはいうものの専門書ではなく日常問題をとてもわかりやすく得意の自虐ネタを交えたユーモアをちりばめ、面白く解説していて、さくっと読めます。 同じ職場に土屋賢二が教授をしていたお茶の水女子大出身の子がいて、知ってる?と聞いたところ、「1年のとき講義を受けたことがあります」とのこと。 なかなか人気の講義だったらしく、いつも盛況で、奥さんはともかく、女子大生にはそこそこいけていたらしいですよ、土屋先生。2014/12/19
空猫
15
再読。比較的高緯度だから日照時間が短く,その上薄曇りの日と霧の出る日が多い鬱々とした気候のイギリスに住む人たちが「深刻な事態に置かれた暗い自分の状況を敢えて笑うことで肩の荷を軽くする」ための武器がユーモアなのだとしたら,これは是非身につけたいものだと思う。自嘲気味に何かを呟いたところで現状は変わりはしないのだけれど,目を背けたいはずのものを正しく視界に捉えた上で,その闇に飲み込まれない位置にいるということは素晴らしいことだ。2017/01/18
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