流用アート論 一九一二―二〇一一年

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流用アート論 一九一二―二〇一一年

  • 著者名:小田茂一
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  • 青弓社(2014/04発売)
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  • ISBN:9784787273086

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内容説明

既製品を流用するレディ・メイド、印刷物の断片を流用するコラージュ。アートは複製技術の登場をきっかけにあらゆるものを流用し、次々にアート作品に置き換えてきた。現代アートの百年を「流用」という視点からレクチャーして、これからのアートの可能性に迫る。

目次

はじめに

序章 「流用」によるアートの誕生
 1 社会の工業化と「流用」のアート
 2 社会のメディア化とアートの変化

第1章 「既にあるもの」と現代アート
 1 想像力は商品をアートに変える
 2 アート表現をめぐる二千年の課題
 3 表現の手段はボーダーレス化へ

第2章 抽象表現主義とネオダダ
 1 線の重なりとして可視化された時間
 2 絵画は一枚の平面にすぎない
 3 コラージュからコンバインへ
 4 アトリビュートとしての廃タイヤ
 5 感じ取るアートの登場

第3章 ミニマリズム
 1 what から how へ
 2 平面化から抽象化能力へ 
 3 無機質なホワイトキューブと「場」の創出 

第4章 アート表現に置き換えられる身体行為 
 1 「描く」ことから、自らが「動く」ことへ 
 2 流用で身体をアート化させる 
 3 日常がアートになっていく 

第5章 コンセプチュアル・アート(概念芸術) 
 1 「情報」を流用する 
 2 「実物」と「写像」そして「注釈」 
 3 潜在するメッセージを解き明かす 

第6章 「場」を流用し、表現を拡張する 
 1 ロンドンの復権とミュージアムの変容 
 2 変容し続ける“アート化システム” 
 3 ランド・アートへの展開 
 4 包み込むか、さもなくば爆発か
 5 環境を意味付けるアート表現

第7章 ポップ・アートの登場と展開
 1 コラージュされる大衆の欲望
 2 流用するならベストセラーを
 3 大衆化社会と価値観の倒錯

第8章 アメリカのポップ・アート
 1 商品が作品に置き換わる
 2 日用品のメッセージ、アイドルのメッセージ

第9章 ゴミという素材へのこだわり
 1 廃棄物も流用されてアートになる
 2 他者の記憶を流用する

第10章 ポストモダニズム
 1 シミュレーショニズムと身辺のアート
 2 二十世紀「世紀末」芸術
 3 流用して意味を付加する

第11章 なりきることで生まれ変わる
 1 他人の身体を流用する
 2 理想の女性像を求め続ける
 3 身体はメディア化されていく
 4 私は名画の主人公

第12章 拡張される写真の正面性
 1 流用された正面性のまなざし
 2 写真は記憶を写し出す

第13章 流用は時間を変容させていく
 1 純白の写真になった映画の時間
 2 一枚の写真で可視化された歴史
 3 映像化された絵画の時間

第14章 メディアを超えて連鎖する流用
 1 個人の記憶をパブリックな場へ
 2 流用は一度にとどまることはない

第15章 ライフスタイルと重なり合うアート
 1 イラストとフィギュアの一九八〇年代日本
 2 食玩からアートになったフィギュア
 3 アート化し続けるサブカルチャー
 4 遠近法の西欧、フラットな日本
 5 幼児性を脱却した二頭身

終章 「流用」が紡ぐ神聖からキッチュまで


図版一覧
あとがき
人名索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たいそ

4
アートの表現は「何がwhat」ではなく「どういうふうにhow」になり、さらに「独自のコンセプト」を提示しているかどうか、になっているらしい。自分は「アート」はよくわかっていないのだが「これは何を表しているんだろうねぇ?」という入り方はしないようにしてみたい。「いつの時代にも、アート作品には表現者からのメッセージが込められている。」そうなので、それを感じられるようにしていきたい。「現実に、私たちが日常のなかで視覚を通じてみている知識は、本物からではなく、コピーされたイメージを通してであることが少なくない。」2017/02/10

邪馬台国

1
ここ100年の大きな流れをさっと再確認できて満足。著者の好みで説明にばらつきがあるけども、どの“流用”も毎回そこに至るまでの文脈をたどり直すので、読み進めるうちに一世紀で鳥瞰的に眺めたときのウエートが感覚的にわかってくる。さらに掘り下げるための参考文献が充実してたらなお良かった。2012/11/10

haji

0
つまらなすぎて途中で読むのをやめた。流用、という言葉を軸に美術史を紐解く姿勢や価値は理解できるが、あまりに内容が薄く「お前ただ流用って言いたいだけだろ」的な趣がある。途中で椹木野衣の『シミュレーショニズム』を引用しているのだが、それこそ『シミュレーショニズム』を読んだ方がよっぽど「流用」という概念について深く理解出来るだろう。もちろん、入門書としてもオススメ出来ません。2012/09/15

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