内容説明
明治初頭、長崎港外の深堀に士族の娘として生まれた蝶は、父の形見の『学問のすゝめ』を読んで育つ。かくれキリシタンの少女ユリとも仲良しになり、文明開化の夢がふくらむものの、コレラの流行で母と祖母を失って運命は一変。小学校を卒業すると同時に丸山遊郭「水月楼」の女将の養女となって長崎へ向かう。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どんちゃんママ
21
「 蝶々夫人」のモデルになったと言われている伊東蝶の物語。NHKでドラマ化され見たのですが 忘れているところもあり読みました。「武士の娘」としての誇りを手放すことなく、人生を生き抜いた蝶々さんの強さを感じました。「葉隠」「学問のすゝめ 」「 聖書」を愛読していたのですね。2015/10/28
との@恥をかいて気分すっきり。
14
明治初頭の長崎深堀、殺された士族の父の忘れ形見お蝶が成長する様を描く。明治時代からアジアの君主として領土拡張に走る帝国日本の激動の中、蝶々さんの強く健気に生き抜く姿が感動的に描かれる。2013/06/01
雛子
11
オペラで有名なマダム・バタフライのモデルとも言われる伊東蝶の物語。時は明治の文明開化のころ、長崎。佐賀の乱にて生まれる前に父を亡くし、母と父方の祖母に育てられるも、その二人もコレラで亡くし。母方の祖母に引き取られるも、ずる賢い親戚に丸め込まれて貸座敷の養子に出され。養子先では庇護者の養母を失い、下女扱い。そんな蝶を支えるのは士族の誇りと活水女学校入学の夢。その夢も潰えそうになり、挙げ句に身を売り飛ばされそうに。上巻は蝶の人生苦難のダイジェスト状態。長崎の地形に似て起伏の激しい人生だなぁ、と。2012/08/08
アルプスの空♪
11
♪あーーるーはれたーひーーっ♪これしか私の中では知識がないものだから、"知りたい!”意欲で久しぶりに面白い小説に出会えた!!!おもしろい!!! 2011/12/12
miyu
7
「寒椿は、武士の娘に似ている。寒椿は、寒い時ほど美しい。武士の子なら、逆境にあるときほど、凛として美しくなければならない」武士の娘として、厳しい環境の中、真摯に生き抜く物語。この蝶々さんが、オペラ『蝶々夫人』のモデルであったそう。どんなときも、目の前をまっすぐ見つめ、潔く強く生きる蝶々さん。読んでいるこちらも惹き付けられ、背筋をのばし、身を正して読み進めました。田代先生の言葉も、ひとつひとつが身に沁みました。下巻も楽しみにします。2013/09/12
-
- 電子書籍
- 魔法少女絶対殺すガール【タテヨミ】(2…
-
- 電子書籍
- 三世代探偵団 枯れた花のワルツ 角川文庫
-
- 電子書籍
- ツーリンガール! ストーリアダッシュ…
-
- 電子書籍
- 聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク>…