内容説明
「人生にはいろんなことがあるよねって僕は読んでてホッとしました」 ──内田樹 ★ほしよりこの楽しいイラストに、 柴田元幸×内田樹による〈特別対談〉も収録! ひとはいつだって、それぞれの現実を生きている ◎スリに遭い、大事な写真がなくなった!でもある日、郵便受けを開けたら……(「写真」) ◎死のうと思った。二歳の息子と車に乗ってエンジンをかけたそのとき……(「死のトンネル」) 「あるある」から「まさか!」まで、どこかの誰かの身に起きた、本当にあったストーリー。 ポール・オースターが呼びかけ、全米から体験談が寄せられた『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』。 いきいきとアメリカの姿を描き出した、感動のプロジェクトを日本でも。
目次
戻ってくるはずがないのに、戻ってきたものの話
犬と猫の話
あとからぞっとした話
空に浮かんでいたものの話
変な機械の話
おばあさんの話
私が会ったなかで、いちばん粗忽な人の話
そっくりな人の話
マジックナンバーの話
ばったり会った話〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
74
本当の話かどうかは読者には判断できない。同じ人の投稿が複数あるので嘘っぽい気もする。2015/03/22
マエダ
41
ポール・オースターがアメリカでいろいろなふつうの人たちに寄稿してもらったショートストーリーの佳作をラジオで朗読する。ナショナル・ストーリー・プロジェクトの日本版アメリカは自分を中心としたストーリーが多く、日本は客観視したストーリーが多くなるとのこと。2022/12/21
myunclek
41
嘘みたいな本当の話。読者が投稿する、不可思議な体験談の数々。意味不明な話がいくつかあったけど、ショートストーリーだけに次々と飛んで行けるのは正月のホロ酔い加減の頭には丁度良い。あとがきの対談で日本人と米国人とのストーリーの紡ぎ方についての考察があったけど、小難しい理屈での解説はいらなかったよな。2017/01/02
TANGO
33
図書館本。嘘みたいな本当の話が149作品。にやっとしたり、ゾッとしたり、うなずいたり、首捻ったり。個人的には一行とか三行くらいのカットアウトの話のほうが好み。あと、前書きと巻末の対談に読みごたえあり。日本人、っていう特徴が、こういうところにも現れるんだな、と。本家オースター版、続編のみどりも読んでみたい。2014/01/30
Maiラピ
30
『誰かの身に起きた、小さな出来事』楽しめました。笑ったのはおしゃべり炊飯器の話やおサルさんのお辞儀。ぞっとしたのは“先生”よく小説とかにあるストーリーだけど、リアルだと想像したら・・・。投稿された文を読んでの、内田さんの日本人考察も興味深かった。アメリカ人は細部と具体を重んじ、日本人は定型と教訓を好む。2012/10/06