内容説明
日露戦争に勝利し、坂の上に辿り着いた日本の目の前には、次なる仮想敵国として太平洋の向こうにある大国アメリカが立ちはだかっていた……。黒船来航が与えたトラウマが戦争へと具現化していく過程を、「日米未来戦記」の書き手たちを中心に、群像劇として描いた大河ノンフィクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
田園の風
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明治時代の同時代に生を受け、共に時代を斜めから批評してきた水野、リー。二人の書き手を通して日米開戦に至る時代を映し出している。第一次大戦を観戦し戦争が物量による大量殺戮の時代に変わったことから平和主義に転じる水野。日系移民のバッシングに乗じて日米戦争によるアメリカの敗戦を描き、時代の混乱を煽るリー。下巻を期待したい。2011/08/21
asac3310
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面白い。完全に個人的だが、日露戦争後、海軍拡張を主張した軍人・水野広徳氏が、第1次大戦後のドイツを訪れ総力戦がいかに人々の生活を破壊してしまうかを身をもってしり、その後日米開戦に反対していくのには非常に興味をもった。戦争のリアリティなきことの恐ろしさを感じた。2011/08/17
kuwagata
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なかなかスリリングな論考でしたよ。2011/07/26
ocean
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水野広徳とホーマー・リー。全く別の国で生まれ育っておきながら、お互いに日本(アメリカ)はアメリカ(日本)との戦争に敗れる、と自国民に警鐘を鳴らすフィクション小説を著すのは、当時の日本とアメリカの関係性が見えて興味深い2018/09/22