内容説明
喧嘩っ早い国定龍次は栄五郎親分の制止も聞かず、天狗党の隊士を叩っ切る。そこで出会った腹違いの兄千乗坊から、父親が国定忠治だと聞かされ勇気百倍、父の形見長脇差小松五郎を携え、渡世人修行に出る。お目付け役としてあとを追うのは親分の娘で恋仲のおりん。江戸の新門辰五郎、黒駒の勝蔵らに仁義をきるが……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ペペロニ
9
江戸時代の有名な侠客、国定忠治の息子という設定の架空人物・龍次が主人公。龍次は喧嘩っ早いトラブルメーカーだが、からっと明るい性格だったり渡世人の矜持を重んじたりと良いキャラだ。龍次がトラブルを起こした為に始まった股旅修行の行方が気になる。ちなみにこれを読んでいると侠客について色々とググってしまう。2021/02/03
よみ
8
任侠物が苦手な私にもテンポ良く読めたけど、登場人物たちの価値観にギョッとすることがよくあった。いきなり水戸天狗党の話から始まったので、私の脳内は早速「魔群の通過」一色になってしまった。あの本は凄まじい。2023/05/31
Katsuto Yoshinaga
3
幕末小説集の3作品目。ダークな味わいの「修羅維新牢」、けれんみの少ない歴史小説「魔群の通過」と続いて、本作は講談風味のエンタメ。これまた、うまいラインナップである。天狗党がチラリとでてきて、大前田栄五郎、黒駒の勝蔵、清水の次郎長らが続々登場。侠客オールスター戦である。1950~60年代であれば、絢爛豪華の映画化されたんじゃないかしら。さあ、下巻にとりかからなければ。2015/07/17
ゆの字
2
最初は痛快股旅ものかと思わせる。もちろん山風なのでそのまま話が進むわけではないのだが…おかげさまで幕末の侠客について一式調べてしまった。2012/01/01
まさ影
2
今年の土用の丑は、涙無しに鰻丼食べられるかどうか自信が無い。2011/06/24