内容説明
2004年まで9年にわたりNHKで放送されていた「コメディーお江戸でござる」。江戸の町人生活をコミカルに描く演劇と、江戸風俗研究家・杉浦日向子さんの解説の妙で人気番組として定着していた。その脚本を数多く手がけたのが滝大作さん。本書の著者である。本書は、20話の短編小説からなり、大工とそのおかみさん・船頭・小身の旗本・夜逃げ屋・いなか娘・岡っ引きなど、様々な登場人物が入れ替わりつつ、江戸情緒たっぷりの物語世界が展開される。古典落語を思わせるテンポいい語り口、映像が眼に浮かんでくる的確な描写、月並みなハッピーエンドをよしとしないラストの切れ味……。江戸時代ファンならあっという間に引き込まれる勢いある20話が集まっている。コメディーや演劇の世界に幅広い交友関係を持つ著者が、所ジョージさん、佐藤B作さん、高平哲郎さんら友人たちのエールを受けて世に問う、なぜか“懐かしさ“が胸に響く会心の時代小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のぶ
2
この滝さん、私が子供の頃に見てたお笑い番組で脚本スタッフとしてすでに活躍していた方のようです。テレビ界ではもう重鎮クラスでしょうか。江戸を舞台にしたドラマとかそういう作品にも長く携わってたらしく、本書はそのスピンアウト本ということかも知れません。短編が18話、短編というよりショートショートと呼ぶべき長さかな。表紙絵の呑気そうな雰囲気とは裏腹に、苦味の多い本(ブラックな結末の比率が高い)なのと、作品同士の繋がりがない(作品世界を作ろうとしてない)あたり、星新一もしくはイソップのお江戸版、みたいな読後感です。2016/02/14
あかんべ
2
読んでいたのに印象が薄いためまた読んでしまった。印象がうすいのは結末が「皮肉な結果に終わった」というべき短編集だからか?もやっとした感じが残る。しゃれが利いたタイトルも12編めぐらいで息切れか?2013/07/20
とし
1
「お江戸でござる」リアルタイムでは見ておらず、その後杉浦日向子さんにはまったことで、この本を手に取ったのだが。“私にとっての江戸は、江戸文化が爛熟を極めた後期の文化文政時代の自由闊達な町人社会”でとあとがきにあって期待しすぎ?町民社会はかかれていたが、結末がう~んのすっきりしない物が多くて。人情コメディー物でいってほしかった。2012/10/19
あここ
1
番組見たことないけど。読みやすそうやなぁ~っと思って借りてみる。あ、連続ものじゃないのかぁ。誰か主人公がいるんかと思ってた。だから短編。確かに読みやすい。けどぉ・・・サラサラしすぎで何も引っ掛からない。特別、人情話でもないしなぁ。舞台でバタバタやったら面白いんかなぁ。味とゆうか、主役に魅力が欲しいかな。2012/09/01
kamekame
0
ショートコントでした。2016/05/10