内容説明
エリートバンカーから消費者金融最大手・富福に迎えられた大宮紘平は、資金調達の成功、銀行の系列化阻止に手腕を発揮し、社長に昇格する。が、会長におさまったオーナー、里村栄一が絶対君主として君臨し、大宮の目論むクレジットカードへの進出など、多角化もままならない。一方、過剰融資や貸し倒れ増大など、社内には風紀の乱れが蔓延する。消費者金融はなぜ市民銀行になれなかったのか。消費者金融の実態に迫った問題作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
外枠発走
16
今は韓国企業の傘下となった消費者金融武富士をモデルにした経済小説です。少し古い話ですが、著者は武富士を代表とした消費者金融の未来を予想し、その予想は見事的中しました。また、消費者金融の実態やこれを取り巻く諸問題を上手く小説の中に織り込んでいます。結局、「欲望産業」という題名の意味がはっきりしませんでした。僕は金を貸すことで、人々の欲望を満たすという産業という風に解釈しましたが・・・。 2011/07/22
おおとろ
11
☆☆☆☆☆ 再読。武富士がモデルになっている消費者金融の話で、何度読んでも面白いです。高杉さんの小説はハズレがない。2023/02/21
nekozuki
8
最後の終わり方はあまり納得できないが、当時の消費者金融業界のいびつな内情を表し今のような銀行がプレーヤーとなる前夜の話としては興味深い。この時期を経て、グレーゾーン金利の時代があり18%程度の今の水準で落ち着いているのだろう。ただ、グレーゾーン金利の復活が検討されているように、必ずしも暴利を貪っているとは限らずリスクに見合った資金の供給を行っていた側面もあったのではないか。2016/02/19
ちくまる
6
面白かった!たぶん高杉さんの本は初なんだけど、とても読みやすく、尚且つグイグイ読ませる感じで、確かに友達に言われたように、読み終わった後は少し賢くなった気がしました(笑)。この本を読みながら常に当時の武富士のCM(あのダンスの)が頭をグルグルしていた。2014/02/06
Mik.Vicky
5
一気に読んでしまった。最高裁判決が出て、サラ金産業は一気に破滅してしまったが、サラ金業者は一時はこの世の春を謳歌していた。銀行が個人へ直接貸し出すのを手抜きして、サラ金に貸し出して儲けているというアコギな構造が成り立っていた。サラ金社内も今の価値観で言うとブラックだが、当時はこれが他業界でも一定程度当たり前だったように思う。権力者のセクハラ・・・サービス残業・・・価値観の押付けなど・・・2023/11/05
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