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内容説明
日本の農業は正念場を迎えている。高齢化、減反問題、農産物貿易の自由化など、難問が山積している。本書では、日本農業の強さと弱さの両面を直視し、国民に支えられる農業と農村のビジョンを提案する。農地制度や農協問題など、農業発展のブレーキと指摘されている論点にも言及しながら、近未来の日本農業を描き出す。
目次
第1章 逆走・迷走の農政
第2章 食料自給率で読み解く日本の食と農
第3章 誰が支える日本の農業
第4章 どうするコメの生産調整
第5章 日本農業の活路を探る
第6章 混迷の農政を超えて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
54
著者は農業経済の泰斗。『真実』と題される書には外れが多いのだが本書は例外で、1993年のウルグアイラウンドから2010年の民主党政権下までの、日本農業の状況と政策を整理する。その観点は「食料安全保障」つまり最低限の食糧供給力を農業は持つべきとの考えで、それを踏まえて高齢化する農業の変革への処方箋を示している。重要なのは「農業の厚みを増す」ことで、先に読んだ『人口減少時代の農業と食』の紹介するモデルケースはまさにその方向。一方農政については手厳しい。特に民主党政権の戸別所得保障が選挙対策的性格が強いとする。2023/07/09
saga
40
本書が出版されたのが2011年3月で、東日本大震災までの農業についての考察である。ということは震災後には再度政権が交代し、農政に関して多少なりとも揺り戻しがあったはず(これに関しては今後勉強せねば)。農政のたどってきた歴史的背景と問題点は本書で十分に理解できる。筆者は国の審議会メンバーになったことがあり、農業を学問としてだけではなく、行政の視点も含めた論考となっていることも好ましい。ただし将来の農業のあり方についての提言は少ないので、それは別の書籍で補うべきだろうな。2015/05/27
さきん
29
わが国の農業は正念場を迎えている。農業者の高齢化、減反問題、農産物貿易の自由化など、難問が山積している。こうした状況下で大切なのは、情動やイデオロギーに流されることなく、冷静かつ現実的に食と農の問題を考えることだろう。本書では、日本農業の強さと弱さの両面を直視し、国民に支えられる農業と農村のビジョンを提案する。農地制度や農協問題など、農業発展のブレーキと指摘されている論点にも言及しながら、近未来の日本農業を描き出す。攻撃的な文言が少なく、建設的な内容だった。私は著者の意見を大いに支持したい。2015/09/01
えも
19
日本農業の歩みを、担い手対策と生産調整を軸に解説した上で、今後の農政のあり方を提案している。学者として偏りなく、しかも情熱を持って執筆していて、とても示唆に富んでいる一冊。2014/01/08
メタボン
17
☆☆☆★ 農政の理解は難しい。複数の著作を読んできたが、立場により「誰を」援護するのかが微妙に変わるので、理解を妨げているのだと思う。著者は生産者と消費者の中立的な立場を心がけているためか、わりあい理解しやすかった。農業の担い手を厚くする政策は、民主党政権になり逆行したが、政権交代により再び着目されてきているようだ。自給率目標も定義も含めて曖昧な状況にある。TPP交渉の行方も含めて、まさしく今が日本農業政策の転換点にあると思われる。引き続きこの問題についての理解を深めていきたい。2014/03/24




