誰か助けて 止まらない児童虐待

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誰か助けて 止まらない児童虐待

  • ISBN:9784903722306

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内容説明

虐待に走る母親の心にはいったい何が起きているのか。「底が割れた」と形容される虐待の現場には、どのようなメカニズムが働いているのか。私は我が子を虐待した母親を訪ね、ありままの声を聞くことにした。変化する家族、親や子どもが抱える悩み、主婦の現状などを自分の目で確かめてきた著者が、児童虐待の凄惨な現実を訴える。

目次

第1章 虐待死の二日後、母は結婚した
第2章 負は連鎖するのか
第3章 生んだあとの「想定外」
第4章 破綻すれすれ一家の幸運
第5章 虐待通告に揺れる人々
第6章 児童相談所のジレンマ
最終章 極限を生き抜いた幼い命

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kana

43
怖いけど、読むのをやめられない熱量を持った本でした。たとえば虐待をする瞬間の心情の描写。前髪を自分で切ろうとして、失敗して取り繕おうとして更に短く不恰好になり、イライラして、全部やり直したくなる感覚に似ていると、ある母親は言うのです。行為自体は許されざることですが、妙に理解できてしまうリアリティがあり、その気持ちの奥底にあるものにもっと近付きたいと感じます。これは著者が虐待という救いようのない大きな社会問題に、心折れずに徹底的に取材し続けたからこそ引き出せたリアルな感情ではないかと。私に何ができるだろう。2015/09/29

ステビア

9
当事者たちの生々しい声が載せられているのが特徴。2017/10/04

加藤久和

4
子供の虐待のニュースに接する度に行政の怠慢に憤りを感じていたのだが、そんなに単純な問題ではないことをこの本を読んで知った。もちろん行政のシステムに不備は多々あるだろうが、児童虐待への対応には独特の困難さがつきまとう。どんなに冷酷で残虐な親であろうとも、子供にとっては唯一無二の存在であり、また親にとっても子供はかけがえのない未熟な分身である。法や行政の力で両者の間に割って入り、話し合いでもって解決するという訳にはいかない。事態は絶望的に思えるが、まずは多くの人がこの本を読んで児童虐待を巡る現実を知るべきだ。2015/03/23

こばまゆ

4
虐待される子どもたちを、どう助けたらいいのか?保育所や、児童相談所からも、助けて!誰か助けて!の声が・・児相の対応のバッシングがよく取り上げられ、私も、児相はどうして、すぐ保護しなかったの?と思う事もあったけど、なるほど、こういうわけだったのか。。と。児相の児童福祉士さんこそ、この現状に、胸がつぶれそうな思い出駆けずり回ってるのだろうな・・と思った。「日本には、子ども達をケアするシステムがほとんどない。それが、やりきれないんです」なんとも、胸が苦しくなる現状だ。2014/08/17

oedococo

3
最近の児童虐待のニュースを見るたびに、なんでもっと早く助けられないのかとか、学校や幼稚園等の教育者や行政は一体何をやっているんだ!と腹を立てていた。しかし、この本を読み進めるうちに、親と子の関係性はもちろんのこと、それを取り巻く複雑な環境や法的整備・システムの問題、根っこの深さを感じ、やるせない気持ちになった。しかし、周囲の力でなんとしてでも、一人でも多くの被虐待児を救う取組がなされないと、人の住む社会でなくなってしまう気がしてならない。本を読み、さらに家族社会学を知ろうと思った。2015/09/06

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