中公新書<br> 大鳥圭介 幕府歩兵奉行、連戦連敗の勝者

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中公新書
大鳥圭介 幕府歩兵奉行、連戦連敗の勝者

  • 著者名:星亮一【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 中央公論新社(2014/01発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121021083

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内容説明

大鳥圭介は稀有な幕臣である。播磨に生まれ、蘭学を学び、幕府歩兵奉行として陸軍の指揮を任されるに至る。戊辰戦争では連戦連敗するが、「またも負けたか」と笑い飛ばし、五稜郭まで戦い抜いた。二年にわたって牢に繋がれたのちは工部大学校校長、清国公使などを歴任、富国強兵策を実行した。「最初からよい地位に恵まれることなどない」「屈するは後に大いに伸びる基」と言い、不撓の精神で逆境を乗り越えた人物の生涯。

目次

第1章 播州赤穂の在から西洋学修行
第2章 幕府陸軍の編成
第3章 江戸を脱走、会津へ
第4章 今市奪還出来ず、母成峠で敗退
第5章 米沢・仙台同盟離脱、白雪の鷲ノ木湾
第6章 痛恨開陽丸遭難、箱館決戦へ
第7章 牢獄を出て明治政府に出仕
第8章 工部大学校校長から清国特命全権公使

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

56
著者の本業が作家業であるため、毎度のことながらとても読みやすい評伝。幕臣であり、戦に負け続けながら、敵将黒田清隆に認められ、榎本武揚とともに明治日本の近代化に大きな足跡を残した人物を描きつつ、戊辰戦争の展開や、日清戦争突入の史実を学ぶこともできる。大鳥の漢学、蘭学から英語、そして軍事に科学技術といったまさにジェネラリストと呼ぶべき向学心が、その柔軟でおおらかな器の中で開花し、明治という時代にマッチした様子が手に取るように分かる。もし木戸孝允の主張通りこの男を処刑していたら、歴史はどう変わったのだろうか。2021/04/05

魔王

14
会津中心の本を読むと大鳥の名前は出てくるが途中でいなくなることが多く、いまいちな存在と思っていました。しかし、幕府に尽くし、そして明治になっても色々なところで活躍する人はなかなかいないと思います。主役にはなれないけど愛される脇役みたいな感じでしょうかね。この人物を知ることができてよかったです。2018/07/27

ジュンジュン

10
新選組、または土方歳三の足跡を辿れば、必ず出会う大鳥圭介。駆け足ながら、五稜郭以後も知れてうれしい。ただ、日清戦争の仕掛け人説で、彼の評価も180度変わると思うが、どっちなのだろう?2021/10/07

Empirestar

5
旧幕府歩兵奉行として、最後まで薩長を中心とした軍隊に抵抗した大鳥圭介の生涯を描いた本。大鳥圭介といい、榎本武揚といい、旧幕臣には傑出した能力の持ち主が多く、維新政府の中枢で活躍し、日本の西洋化・近代化に大きく貢献をした。国の仕組みを変えるためには、才能のあるものは自然と見出される。当時の日本を取り巻く国際的な状況を勘案すると、幕府がまいた種がうまく開花し、激動の明治時代の礎を作り上げた偉人の一人であるといえる。榎本とともにもっと知られてよい人物である。2013/08/18

nagoyan

4
優。著者は中公新書で他に「奥羽列藩同盟」「幕末の会津藩」「会津落城」の著作がある。幕末維新史を主として敗北した旧幕府・佐幕(?)諸藩の立場から見ている。本書は、技術者(テクノクラート)である大鳥の意外とも思える律儀さを強調する。新政府についぞ仕えなかった勝安房と比して、僕などはテクノクラートのクールさ(冷徹さ)を漠然と感じていただけに意外。旧文化に対する深い造詣をもつこの人にして、明治期外交の負の姿(本書でコミットされていないが。。。)が垣間見える(いやモロ見え?)という点にこの時期の日本の悲しさもある。2011/05/21

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