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内容説明
なぜ、いまアリストテレスか◎――アリストテレスは、いまから二千数百年前のギリシアの世界で、人間はいかに生きるべきか、何が人間をして人間たらしめるのか、何をどのように知るべきか、という問いに向き合う形で人間が扱う「知」というものを追求し、その体系化に挑んだ哲学者である。◎――時代のあまりの隔たりから、その枠組みは古いのでは、現代に通用しないのではと思われるかもしれないが、実はまったくそうではない。自然の摂理の追求からはじまる彼の人間洞察の視点には、現代の諸科学、経営学が見失いがちな全体性がある。◎――さらにわれわれ日本人にとって何よりも心強いのは、彼がプラトンの観念論を否定し、日本企業の得意とする現場主義の原点とも言えるような、直面する現実から思考の枠組みを追求したことである。その追求の成果と、そしてその追及の方法には今日でも瞠目すべきものが多々あるのだ。◎――痛感するのは、時代に対峙し世界と対話するための大きな哲学、骨太な思想の必要性である。改めて求められているのは形式的な方法論、流行の経営理論ではなく、国境や民族を超えた人間という存在への本質的な洞察ではないだろうか。(「プロローグ」より)
目次
第1章 ビジョンと戦略(事業の目的と在り様は「善」である;経営者の「最高善」を企業のビジョンとする ほか)
第2章 組織(企業は「エウダイモニア」を希求する個人の集合体である;個人は本来「政治的動物」である ほか)
第3章 イノベーション(現場の「知」とは「理論」である;「実践の知(フロネシス)」の前提には「優れた性格」がある ほか)
第4章 リーダーシップ(独立した個人としての「善」と「快楽」に向き合う;「弱さ」と「不正」をマネージする ほか)
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