内容説明
「絶対隔離」の再検討から切り拓く病者の社会史。病者処遇の法制度、自由療養地、私立療養所、外来診療、ハンセン病医学など、膨大な史料をもとに、病者の「生存」を描きだす。
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目次
序章 近代日本のハンセン病史をめぐって
第1章 ハンセン病者の処遇に関する法制度の再検討
第2章 「根本的癩予防策要項」とハンセン病者の療養形態―ハンセン病自由療養地構想と湯之沢部落をめぐって
第3章 近代日本におけるハンセン病者救療事業の特質―聖バルナバミッションを素材に
第4章 戦前・戦時期大阪におけるハンセン病者の処遇―大阪皮膚病研究所と大阪のハンセン病問題
第5章 戦前・戦中期日本のハンセン病医学のヒストリオグラフィ
第6章 補論近代日本のハンセン病の世界史的位置―アシュミードと明治初期日本の疾病環境
終章 総括と展望
感想・レビュー
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Schuhschnabel
2
それまで国の政策の誤りとして論じられてきた明治以降の日本のハンセン病問題を、法律の問題としてではなく行政による運用の問題として捉え直した本(適切なまとめになっているか自信がない)。癩予防法は、療養所の入所資格から経済的条件を外したという点では真っ当なものだったと言えなくもないが、地方長官を通さない入所を認めたことが療養所職員による「患者狩り」への道を開いたという点は見逃してはならない。とはいえ、1941年の連合道府県立療養所の国立移管までは内務省(厚生省)による統率は限定的だったという点は考慮に値する。2021/07/13
Naoya Sugitani
0
大学時代の演習で読んだ一冊。いわゆる「糾弾の歴史学」を否定して地域社会におけるハンセン病の治療のあり方をつぶさに検討している。2017/08/17
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- 和書
- スクリーンが待っている