内容説明
2010年11月4日、尖閣諸島付近で起きた中国漁船衝突事件の映像がインターネットを通じて日本中を駆け巡った―。政府が非公開と決定した映像を流出させた元海上保安官は、なぜ様々なリスクを負ってまで動画の公開に踏み切ったのか。彼が訴えたかったものとは一体何なのか。
目次
これ、わしがやったんや
中途採用で海上保安官になった
そもそも尖閣諸島とは
事件の始まりの事件
中国人船長逮捕
東シナ海ガス田の濁った海面
私が尖閣ビデオを目にした日
世界に対して面子を失った日本
侵略を開始した中国
なぜビデオが国家機密なのか
私がやらねば
ビデオ公開前夜
11月4日、実行
ビデオ公開翌日
私が行った罪証隠滅行為
私がやりました
取り調べは続く
海上保安庁から脱出
考えるということ
ハンドルネームの意味は…
海上保安官人生が終わった
公開の意味
終結
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やじ
12
あの朝は、どの局でも、中国漁船が追突してくる緊迫した映像が流れていました。なぜビデオが公開されたのか知りたかった。なぜ船長を無罪放免にしたのか?当時お花畑だった私でも、怒りが湧きました。でも毎年総理が変わるような、世界から無視されてるような弱い日本じゃ仕方ないと諦めてました。一色さんは武士のようです。滅私奉公、という言葉を思い出させてくれました。なぜ公開したか、自分の考えを押し付ける気はなく、日本人一人一人に考えてほしかったとおっしゃってます。私はこれほど強く生きられるかしら。尊敬します。2014/03/09
Chiyoka
9
2010年9月に起きた尖閣諸島沖での海上保安庁巡視船と中国漁船の衝突事件の映像をYoutubeに投稿した一色正春さんの手記。当時の日本政府(民主党政権下)が中国人船長を無罪放免で釈放した時の失望と落胆は今でもはっきりと覚えている。中国側の圧力に屈したままの政府と事実を知らされない国民。職場や家族に多大な迷惑がかかると苦悩しながらも自らの手でビデオの公開を決意した著者の、勇気ある行動に感謝。多くの犠牲と引き換えに、国を守るとはどういうことかを伝えてくれた一色さんからの熱いメッセージである2017/10/31
藤乃
8
尖閣諸島沖の問題が報道された当時から気になっていたので、書店で見つけて即購入。ただ本書でマスコミ批判もしているだけに、何故朝日新聞から出版されているのかが疑問。私も含めてだが、日本人は忘れっぽい。大事な事でも直ぐに忘れる。何時でも「なぜ」という疑問を持って行動しなければいけない、ということを改めて再確認した。取り敢えず、東日本大震災が落ち着いたら、政府は解散の後にビデオを公開して欲しい。この期に及んで媚中はやめてね。2011/03/27
hime6zd5
7
この本を読んで改めて民主党には政権担当能力が無い事を強く認識した。自らの保身のために国益や正義すら売り渡す。本自体は難しい法律用語を多用せず、分かりやすい言葉で自らの気持ちを綴った内容に好感。一色さん、私達に知り考える機会を与えてくださいありがとうございました。多くの人に迷惑をかけた事を気にしておられるようですが、貴方と面識の無い多くの人間が貴方に感謝していることを知ってください。2011/07/24
phmchb
6
sengoku38こと一色正春による尖閣諸島沖中国漁船衝突ビデオ公開事件の裏側で起きたことを綴る本。2014/08/14