河出文庫<br> ヴァギナ 女性器の文化史

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河出文庫
ヴァギナ 女性器の文化史

  • ISBN:9784309463513

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内容説明

男であれ女であれ、生まれてきたその場所をもっとよく知るための、必読書!イギリスの女性研究者が幅広い文献・資料をもとに描き出した革命的な1冊。図版多数収録。

目次

1 世界の起源―ヴァギナの民族文化史
2 性に関する言葉の歴史―ヴァギナの言語学
3 ヴァギナの動物学・昆虫学
4 イヴの秘密―ヴァギナの解剖学史
5 愛の液の世界
6 匂える園
7 オーガズムの働き

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やいっち

17
本書を読むのは二度目。単行本で刊行直後に入手し一気に読んだ。十数年ぶりに文庫版が出たので、今回は、じっくりゆっくり読んだよ。それだけ内容が濃い。過日、メノ・スヒルトハウゼン著の『ダーウィンの覗き穴:性的器官はいかに進化したか』を読んで、男女の性器の内外の構造の精緻さ、雌雄共の生殖へのあくなき生存戦略に感動した。そうした最新知識を元に、本書を改めて味読したくなったのだ。微妙で繊細な分野の本、表立ってはなかなか話題の俎上には載せづらい、だけど、とても大切な話題だろう。2016/11/06

angelooo7

14
ヴァギナって何者!?女性器をあらわす「お」から始まる4文字ないし3文字の言葉を口に出してみて欲しい。と訳者は言う。「おちんちん」に比べ予期した以上に抵抗があるはずだ。現代、隠され虐げられてきたヴァギナに正面から向き合う汚名返上の驚くべき労作。2015/02/10

梟をめぐる読書

14
男性社会を堕落へと導く「地獄の口」として、あるいは生命と豊穣を司る「天国の門」として。古来の風習から歴史上の事実まで、ヴァギナに纏わる言説をあらゆる角度から検証し、その両義性を明らかにした好著。ポルノ的な興味から手に取る人はいないと思うが、もとより男性が欲望の対象としてきたようなヴァギナと本来のそれとは全くの別物といってよく、その機能の純粋な神秘性に打たれる場面も少なくなかった。中盤以降は性科学的な話が中心となるが「男性器にもクリトリスはある」という指摘が何かアンドロギュヌス的な言説として、妙に心に残る。2013/07/05

せんべい

13
某読書会で女性が勧めていた本。筆者は英国の女性研究者。 女性性器は本来、生命を生み出す神聖で畏れ多い存在。古代から世界各地で、それらは神聖視されていた。それが数百年ほど前から女性の性器や性欲は汚らわしいとか堕落の象徴とされるようになる。 ところが最近の研究で卵子が精子を選別して取り込んでいる(勇敢な精子が卵子に行きつくのではない)ことが発見され、行き過ぎた性器のタブー視が男の都合で作られたと鋭く指摘する。 この書を読むと、性器にモザイクをかけて修正する行為は女性に失礼(蔑視)のようにさえ思えてくる。2014/12/28

柳瀬敬二

12
女性器は人類に残された数少ないタブーの一つなのだろうか。この表紙に興奮ではなくグロテスクなものを感じたとするなら、おそらくそれが正しいことは人類史が証明している。女性器にとって人類史は畏怖と抑圧の歴史である。長期間に渡るタブー視ゆえに、その構造は女性自身でさえよく知らないようだ。クリトリスに相当するものが男性にもあったり、女性に前立腺があったり、意外な事実が次々と明らかにされていく。この本を自分の家の本棚に置きにくいと感じるのも、中にある無修正写真に眉をひそめたくなるのも文化的側面の一つだろう。2016/03/14

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