内容説明
全てから逃げ出し身を寄せ合うようにマサムネと一緒に暮らしていたケイ。だが、このまま家族のもとに帰れないという不安にさいなまれていた。そんな時、ついにヤシマが現れる。家に帰ろうと説得するヤシマに気持ちが揺れ動くケイは、さらに追い詰められ――
感想・レビュー
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なぎ
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良かった
由良
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10歳近くも年が離れているケイを母親に重ねたヤシマさん、虐待しナイフで刺し殺そうとした母親を一番愛している人だというマサムネさん、精神を病んだ妹をに献身的に愛情を注ぐお姉ちゃん。ケイの異常さだけが丁寧に描写されているけれども結局みんな少しずつ異常者だ。結局誰もがケイのいう「そういう」ものを抱えているだろうな。2013/09/23
すみの
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精神錯乱の中で、最後に助けを求めたのがマサムネではなくヤシマだった…マサムネとの別離を受け入れ、自分の気持を受け入れる。そして、今まで現実だと思っていた事が、実は自分が創りだした妄想に過ぎず、本来あるべき自分へと。ヤシマの愛する人も実は…。やっと長い”お化けトンネル”を二人で抜け出せたような…。そこには幾つもの大事な人たちとの別れがあったからこそだと思う。2012/07/04