文春文庫<br> 運命の人 〈2〉

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文春文庫
運命の人 〈2〉

  • 著者名:山崎豊子
  • 価格 ¥672(本体¥611)
  • 文藝春秋(2016/05発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167556075
  • NDC分類:913.6

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内容説明

警視庁地下の取調室で重々しく響いた声は「弓成亮太、逮捕状を執行する」。強大な国家権力と「報道の自由」を訴えるジャーナリズムの全面戦争に沸騰する世論。ペンを折られ、苦悩する弓成。スキャンダル記事に心を乱し、家族を守ろうとする妻・由里子。弓成の不倫相手と注目され被告席でぐったりと目を伏せる元外務省の三木昭子と、それをじっと見つめる夫。そしてついに、運命の初公判──。戦後史の意味を問いつづける著者・渾身の巨篇、第2巻。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

zero1

107
外務省機密漏洩事件で逮捕、起訴された弓成。新聞社の支援で法廷闘争に突入。妻が気の毒。記者に対する公務員法の「そそのかし」が問われる初のケース。「クリーンハンドの原則」はこのケースに当てはまる?取材手法をめぐり新聞社に批判が集まる。5人の弁護団は「男女の仲」ではなく「報道の自由」を守ることができるのか?機密のためなら嘘も当たり前(?)の外務官僚はどんな証言をするのか。大学の一般教養で法学を選んだら、モデルとなった西山事件を生の教材として学ぶべき。判決はどうなる?三巻に続く。2019/08/21

ユザキ部長

86
クリーンハンド。それ言っちゃはじまらないんだけど、仕方ない。一国の総理に対してケンカ売ってんだもん。公に出る人は曇りがあってはならない。曇りがない人は居ないので絶対に隠さないとならない。さて、どうなるんだろ?2017/05/04

修一朗

47
第2巻,国家の秘密を知る権利を争点とした裁判。総理大臣が新聞記者を抹殺しようとする[国家権力の欺瞞に対する強い怒り]を描かれる。緊張感漂う法廷現場。得意の緻密でぶ厚い文章,堪能しました。しかし,関心のストーリーに感情移入出来ない。弓成に共感出来なかった。やったことは機密を国民に公にしたことかもしれないが,根っこの動機は自己顕示欲だ。自分の出世のために,危ない橋を渡るのは勝手だが,やってはいけないミスで多くの人を巻き込んだ。3巻へ。2014/04/26

菜穂子

45
実在の人物による実際の事件、裁判に基づいているので当時の政治情勢や事件の真相を知り得た2巻目。事件当時のセンセーショナルな報道だけが頭残っていたのだと言うことに愕然とした。2023/10/26

AICHAN

44
図書館本。三木昭子は自首し、弓成亮太は逮捕される。機密漏洩の罪を問おうとする国は、ふたりが男女の仲であったことを追求してくる。裁判は「国民の知る権利」と「国家権力」の戦いであったはずが、やがて世間の関心はふたりの関係の詮索へと変質していく。「西山事件」の裁判の様子が克明に描かれている。国家権力に守られた政治家や官僚のえげつなさに憤りを感じた。でも、新聞記者として人として弓成(西山)のしたことは褒められない。2023/07/17

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