内容説明
霊能テレビ番組やスピリチュアル番組、不思議現象番組、宗教団体の過剰報道など、いまや宗教はエンターテインメントとして発信されている。「スピリチュアリティとテレビの共犯関係」と「宗教をめぐる報道とステレオタイプ」を軸に、テレビ番組の受容、スピリチュアルブーム、放送コード、メディアスクラムなどの具体例から、バラエティ化する宗教の実像に迫る。
目次
はじめに 石井研士
第1部 スピリチュアリティとテレビの共犯関係
第1章 バラエティ化する宗教とテレビ 小城英子
1 不思議現象番組の歴史
2 オウム・ショック
3 バラエティ化の行方
第2章 テレビメディアで語られるスピリチュアリティ──日本とアメリカの事例から 小池 靖
1 メディアとスピリチュアル
2 日本の事例──江原啓之と細木数子
3 アメリカの事例──『オプラ・ウィンフリー・ショー』
4 グローバル化とスピリチュアルブーム
第3章 スピリチュアルとそのアンチ──江原番組の受容をめぐって 堀江宗正
1 江原番組の台頭
2 弁護士たちによる要望書
3 二十七時間テレビ『ハッピー筋斗雲』問題
4 スピリチュアル番組規制論へ──『J─CASTニュース』の批判記事
5 ネット・ユーザーの反応──規制論からテレビ批判へ
6 好意的コメントに見られる江原評価の要因
7 アンチとファンの対比
8 「ネンダー」間の論争?
9 「テレビ」の衰退とスピリチュアルの行方
第4章 放送コードと霊能者 菅 直子
1 番組企画者に聞く
2 放送局側の見解
3 視聴者は霊能番組をどう見ているのか
4 テレビは「やらせ」でも霊の話は信じる
第5章 「動物と話せる女性」の世界──テレビに描かれる「共存と癒し」の物語 葛西賢太
1 動物と話せる女性・ハイジ
2 ハイジとは、誰なのか?
3 アニマルコミュニケータという仕事
4 アニマルコミュニケータの仕事にはどんな意味があるか
5 アニマルコミュニケータの重荷
第2部 宗教をめぐる報道とステレオタイプ
第6章 昭和三十年代(一九五五─六四年)の大本とテレビ 榎本香織
1 昭和三十年代(一九五五─六四年)のテレビ
2 大本とテレビ放送
第7章 NHKプライムタイムでの宗教の扱いについて 井上 俊
1 NHK総合
2 NHK教育
3 注目すべき事件や特殊番組
4 その他の番組
第8章 白装束集団に対する集中報道はなぜ起こったのか 石井研士
1 事件の経緯と報道
2 放送局の対応
3 テレビと新聞の扱いの相違
4 なぜ集中報道が生じたのか
第9章 ステレオタイプ化する宗教的リアリティ 石井研士
1 テレビを流れる四種類の宗教関連情報
2 ニュースで流れる宗教報道
3 特集
4 宗教のステレオタイプ化
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