講談社文芸文庫<br> 一日 夢の柵

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講談社文芸文庫
一日 夢の柵

  • 著者名:黒井千次【著】
  • 価格 ¥1,463(本体¥1,330)
  • 講談社(2014/05発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062901000

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内容説明

日常の内奥にひそむ光と闇。――人々が暮らしてゆく、生々しい奇妙な現実。生きることの本質と豊穣。著者60代半ばから70代半ばにかけて書かれた短篇群、野間文芸賞受賞の12の人生の断片。「夢の柵」「影の家」「眼」「浅いつきあい」「電車の中で」「隣家」「丸の内」「記録」「一日」「危うい日」「久介の歳」「要蔵の夜」収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

じいじ

75
日常の身近におきる様々を題材にした、老人たちの12話。著者黒井氏の本音のボヤキとも見える、滋味あふれる文章力の「妙」を感じます。心に残った3篇―銀行ATM ・駅の自動改札システム・空港の搭乗システムなど機械化。合理化へのスピードに付いていけない老人の【浅いつきあい】。高齢者の健康診断に嫌々向かう主人公「60年も生きていれば、あちこちガタがくるよ」と居直る老人【夢の柵】。老夫婦のある一日を追った【一日】。登場の老人たちに、我が身を置き換えて味わいました。2023/07/29

KEI

26
著者の作品8作目。60代から70代にかけて書かれた本という事で、登場人物達も同年代の男達。身近な所に起こる様々な出来事に対する違和感をしっかり感じ取る力は素晴らしい。歳を取る事に対する諦念を感じると共に、生きる事への本質を見極めようとする姿を垣間見た。12編どれも甲乙付け難かったが、銀行のATMや自動改札口に戸惑う主人公は著者の姿なのかと思わされる【浅いつきあい】少しホラーっぽい【隣家】など引き込まれて読んだ。代表作と言われる【時間】や【五月巡歴】を読みたい。良作。2024/04/26

真琴

7
〈目が覚めた後もはっきりと頭に残って忘れられないようなオカシナ夢を見た直後は、危険ですので絶対に受診しないで下さい〉と但書のある老人検診の案内を手に受診した初老の男を描いた「夢の柵」他11篇。人の中に潜む闇の部分が描かれ全体を通して不穏な空気が漂う。老いを意識し出した60〜70代にかけての作品。著者自身の本音や世に対する想いやボヤキも感じられた。黒井さんの小説は3作目ですがすっかり魅了されました。初期の経済小説とされる『時間』も読みたい。2023/08/08

Mark.jr

6
"老い"というものが作品の中核にあるのは間違いないのですが、それ以上に作品にある不安がそのまま読み手に伝染する感じは、実話系ホラーに近いと思うのですよ。ずっとゾワゾワしながら読んでしまいました。2024/05/23

めだいさる

2
60〜70代の男性が主人公の短編集。 日常生活の中に潜む不穏さを幻想的に描いているが、これがファンタジーなのか、主人公がボケているだけなのかわからないという、素晴らしい老人芸を見せている。 ベテラン作家の巧さを堪能したい方は是非。2025/07/29

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