内容説明
独楽(こま)まわしの忠吉(ただきち)が死体で見つかった。一向に動かない町方にかわって調べを始めた見世物芸人の用心棒・呉羽(くれは)桐之助。天下無敵・無外流(むがいりゅう)の達人でありながら、芸人たちの相談にのる桐之助が忠吉の部屋から見つけたのは、旗本の悪行を直訴する訴状だった。事件に巻き込まれるなか、情に脆(もろ)い桐之助の剣が悪を斬る。賑やかな脇役を揃え、著者渾身の新シリーズ第1弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雪風のねこ@(=´ω`=)
126
出生に訳あり。さる高貴な殿の隠し子、桐之助。故に妻子を惨殺され厭世しているのに、生まれのせいか凜とした気風を纏いつつ、人情故に木剣を振るう。そう、人を殺めたくないから木剣を振るうのである。分かり易い構成と設定で、割と娯楽大作的に読める。ただ現代語っぽいので時代感がやや薄めではある。真剣を振るうと我を忘れて人を殺めてしまう。されど面倒見の良さで手を貸さねば仕方ない(損な)性格。だがそんな所が堪らなく良い。ジレンマに苛まれつつ己を見つめ直す桐之助が格好いいね。2018/02/07
文句有蔵
5
面白かった!凄腕の剣士との立ち合いに、あまりにもあっさりと勝ってしまう点はナンだけど、剣の冴えよりも「物語」を見せる小説なのだと思えば気にならない。そんなことを言っていては池波正太郎大先生は読めなくなってしまうし、比較的立ち合いにページを割いてる木枯し紋次郎も、毎度毎度ではパターン化してしまっているのでコレは有りだと思う。物語の方は、出自故に気品高く、剣技に秀で、頭もいい主人公が魅力的。人情家で、豪胆でありながら繊細。しかし今は一介の素浪人という典型的正統派のダメ男(笑)今後の展開に期待大☆2014/12/21
Suzu
2
お初の作家さん。見世物小屋の用心棒、呉羽桐之助。一介の浪人でありながら育ちの良さが隠せない。桐之助の出自や過去は話の途中で綴られている。女軽業師のおこまと小屋主で手妻師の紫雲斎、盗人だった伊佐治らと共に事件を解決していく。ひとまず次巻へ行ってみる。2017/02/06
Darbytime
1
仙吉が相棒キャラとして活躍するかと思ったけどそうでもない2013/06/02