河出文庫<br> 白痴 〈2〉

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河出文庫
白痴 〈2〉

  • ISBN:9784309463384
  • NDC分類:983

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内容説明

夜会での奇妙な事件から六ヶ月後、ムィシキンはペテルブルグに帰還した。ナスターシャ、ロゴージンとの愛憎入り交じった関係はさらに複雑怪奇なものとなり、さまざまな階層の人々を巻きこんでいく。自らの癲癇による至高体験や、現実の殺人事件にも想を得た、ドストエフスキー流恋愛小説を、画期的な新訳で。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こばまり

60
好きになれないレーベジェフの一言にいみじくも集約される。「まったく、自分への関心が強すぎるんでしょうな」。パッションに呆れつつも己の胸に聞けば、思い当たる節あり。ドストエフスキーは技のデパートならぬ感情のデパートだとつくづく思う。2018/10/29

mii22.

54
これはドストエフスキー流恋愛小説なのか。女性陣の分かりにくい言動といいエキセントリックだったりヒステリックだったりする激しい性格や愛憎入り乱れる男女の心理状態には、ついていけない感ありで面白いけど疲労がたまる。お金持ちで誰よりも正直で善良で高潔なムィシキン公爵だが、その他の登場人物は癖のある人物ばかりで、権利の主張と妬みや誹謗中傷渦巻くなか、苦悩する我らが主人公ムィシキン公爵はどうなるのか。あの女性が今後どういった行動に出るのか。ドキドキしながら最終巻へ。2017/10/20

たかしくん。

49
漸く第2巻!さすがドストさん、恋愛小説であっても中身はコテコテに濃厚です。しかも、登場人物が次々と語る長いセリフは橋田寿賀子級!ムイシキンの癲癇に至る場面は筋を追うだけで大変でした。そして、レーベジェフに語らせたある新聞の記事。主人公を皮肉った形をしながら、当時の世相を痛烈に皮肉ってます。改めて後のロシア革命は、なるべくしてなったものなのですね。そのあとも個性的なメンバーが、それぞれに何か不気味な話を持ち込んできて、やっとこの巻の最後の最後に、アグラーヤ嬢が登場して続く。ふぅ…。(笑)2016/10/30

翔亀

41
中巻。上巻の快速恋愛カーニバルから一転、(ドストさんだからやはりと言うべきか)陰謀渦巻くドロドロメロドラマと化す。ムィシキン公爵も無垢の中に苦悩が蠢く(癲癇の症状だが比喩ともとれる)。私の体調も下り坂なのは、ナスターシャに「はじめての本当の人間を見たわ」とか、死期の迫るイッポリートに「ぼくは『人間』とお別れしているんですから」と言わしめるムィシキン公爵が迷走に陥り結構苦しい読書となったからか。それというのも、通奏低音と思しきナスターシャとアグラーヤの恋の鞘当の心情が理解できないのが大きそう。次巻に期待だ。2014/09/24

izumi

40
難解だったので、ちゃんと理解できているかは自信がないが、読み応えがあり、面白かった。大勢がワラワラと集まってきて、誰が誰だかわからなくなる(笑)しかもみんな長々と語るのが大好き。辟易しながら読んでいたら、物語の人物からも「いい加減うんざりだよ!」のツッコミ。他にもガックリしたり、徒労感を感じること多数(特にイッポリーノの手記・・・)。作者の思惑に翻弄されまくった。一応、当時のロシアの社会情勢、思想に少し触れることができたところも良かったと書いておく。3巻は恋模様の変化に期待。 2018/02/09

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