内容説明
西の丸留守居役に降格、閑職に甘んじていた定謙だったが、小普請支配から江戸南町奉行に抜擢され、北町奉行「遠山の金さん」こと遠山景元とともに幕政の一角を担うことに。しかし、三方領知替えをめぐる措置で、老中首座・水野忠邦を諫止したことから、水野腹心の目付・鳥居耀蔵による暗い陰謀の標的となる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うたまる
4
「それがしはすでに国家のために越前(水野忠邦)を除くとこの胸に誓ったのだ。そのためにたとえ奇禍に遭おうと、かえりみるところではない」・・・老中水野忠邦との対決をメインに、名裁き2編を加えた下巻。下の立場から最高権力者に抗う緊張感溢れる展開は勿論良かったが、本書の主役矢部定謙の白眉は『放火審問』だろう。火付けした女郎を憐み、「火刑に処す。ただし80年後」との裁断には震えまくり痺れまくった。上に諂うことの多い徳川官僚の中に、こんな気骨溢れる人がいたことが嬉しいね。他、”幕末三俊”の一人だって初めて知った。2016/11/05
茶幸才斎
1
飢饉による米価高騰を抑えるなど名奉行と云われながら、老中水野忠邦の不興を買い閑職に追われた矢部駿河守定謙だったが、数年の後、江戸南町奉行の職に昇り、再び事件処理に腕を振るう。そんな折、川越藩松平家、庄内藩酒井家、長岡藩牧野家の三方領知替えの幕命の裏によからぬ陰謀の影を見いだし、定謙は老中水野と再度激突する。「上司が間違っているなら部下はそれを諌めなければならない。それが部下の役目だ。」その昔、社内のさる苦い案件を巡って、私の元上司が毅然とそう云ったのを思い出した。矢部甲斐守定謙、享年49。あっぱれな人生。2013/04/13
SS
1
引き続き読了。川路聖謨・江川丹庵ふくめ肝胆相照らす仲が、忠邦・鳥居耀蔵の黒い関係と比較して光る。2013/01/29
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