内容説明
旗本の家に生まれ、小姓番組入り後、徒頭、先手頭兼火付盗賊改、堺奉行、大坂西町奉行と順調に出世。その裁きぶりは大岡越前守の再来と言われた、矢部駿河守定謙。大坂東町奉行所元与力の大塩平八郎とも昵懇となった彼は、勘定奉行昇進後に乱を起こした大塩父子の罪状をめぐり、ときの老中・水野忠邦と鋭く対立する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BIN
8
隠れた名奉行矢部定謙。剛直な人物で不正なことがあれば上司にも楯突く清々しい硬骨漢。火付盗賊改、堺町奉行、大阪西町奉行、勘定奉行と出世。名裁きでは推理モノ、汚職暴露ではスパイモノ、飢饉対策では経済モノと飽きさせない。大塩平八郎に、勘定奉行の後任である遠山の金さん、そして権力の権化水野忠邦と有名どころとも関連性が深い。これは面白い!ところで鬼平じゃないけど火付盗賊改って響きがいいね。2018/07/26
うたまる
6
「俺はどうも堪え性がないようだから、暴れ奉行などと陰口を叩かれるのが関の山だろうな」・・・江戸後期の名奉行、矢部駿河守定謙の一代記。歴史小説とはいえ、この中間管理職物語の爽快感は半端ない。正論でもって上に盾突き、民事では情実を重んじ、常に公正を旨とする。惚れるよね。惚れまくるよね。上巻では、役職毎に彼が実際に行った名裁きを紹介してくれている。それぞれ汚職物、推理物、スパイ物、経済事犯物とバリエーション豊富で、連作短編的な愉しさを味わった。さて、下巻は怨敵でラスボスの水野忠邦との悶着だな。先を急ごう。2016/11/04
茶幸才斎
4
短気だが曲がったことが嫌いな矢部駿河守定謙は、20歳で小性番組入りすると、先輩のいじめに抵抗して大暴れするが、その後、徒頭から火付盗賊改に就任するや、鮮やかな事件処理の才能を見せ、堺奉行、大阪西町奉行、勘定奉行と出世していく。その名裁きは大岡越前か遠山の金さんみたいだが、実際に金さんが神妙に彼の助言を求めに来たりする。今まで名前も知らなかったが、矢部定謙、すごい人だね。しかし、天保の飢饉に伴う大塩の乱の始末を巡って、彼は老中水野忠邦と対立し左遷されてしまう。下巻では、老中水野との間にもう一波乱あるらしい。2013/04/07
SS
0
何が正なのかわからぬ時代に、この様な人物がいたことをしるだけでもほっとする。2013/01/29
作楽
0
細かい史実にびっくりです。小説仕立てで読む歴史って感じです。でも、面白かったな。2011/08/09
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