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内容説明
南極や北極などの極地、深海底、火山、砂漠、地底、宇宙空間……どんな過酷な環境にも生命は存在する 辺境生物学者とともに“極限環境”を巡り、生命の謎と本質に迫る。
目次
プロローグ 辺境の生物を訪ねる旅へ
第1幕 南極は“しょっぱい大陸”
第2幕 深海で出会った生物の「大群」
第3幕 原始地球は温泉三昧
第4幕 乾燥と「高イオン強度」に耐える生物
第5幕 「スローな生物学」への挑戦
第6幕 宇宙空間で生き延びる方法
エピローグ 生命は宇宙を破壊する
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
流之助
39
辺境に生きる変な生き物について語る本だと思いきや、宇宙にまで飛んでいき、生命は破壊だ!と言ってのける壮大さにワクワクが止まらない。SFの観点からも面白い着眼点。生命の定義って何だろう、という自分の妄想も捗った。国の利益とか小さいことを考えず、生命レベルで色々な研究や観測が進んでいけたらいいな。知的好奇心が活性化するなぁ。特に、炭素の生き物から珪素の生き物へ、という部分は「蒼穹のファフナー」じゃないか!と大興奮してしまった。2018/07/12
ntahima
33
科学界のインディー・ジョーンズこと長沼毅博士と環境SF『ハイドゥナン』の藤崎慎吾氏が辺境をキーワードに地球内外での生命について縦横に語り尽くす対談集。新書にも関わらず千四百円&四百頁超の価格とボリュームには少し怯むが心配御無用!藤崎氏の生真面目なツッコミと長沼氏の理学博士とは思えない大陸的な受け答えが絶妙のハーモニーを醸し出す。テーマがテーマだけに一読理解できない場合もあるが、そんな些細なことは忘れてどんどん読み進めよう!苦労も多かった筈だが長沼博士の話にはロマンを感じる。次は『生命の星エウロパ』だ^^/2011/06/26
ふろんた2.0
26
対談本。過酷な環境に住む生物の探訪なのに、旅エッセイみたいな部分もあり読みやすい。生物学にとどまらず、話がかなり飛躍するので、研究の広さを感じるサイエンス本である。2017/09/04
mackane
16
南極、深海、砂漠、地底、地球外といった辺境とそこに存在する生物を通して、生き物の不可思議さをめぐる「旅」を味わう本書。科学界のインディジョーンズこと長沼氏の辺境探索話を中心に、実際に日本国内の各所を旅しながら対談が進められるため、辺境紀行としても楽しむことができる。ケイ素が多く炭素が少ない地球で、人間を含む炭素ベースの生物が多数の中、ケイ素をベースにした珪藻が2億年前に生まれ、今地球で大繁栄している。生物の次のステージはケイ素ベースもありえるとのこと。そういえば、最近、身体にシリコンいれる人増えたよなぁ。2014/03/05
たくのみ
15
極地研で南極の生物を、江ノ島水族館で深海生物を、火山の火口で、砂丘で、地層研究所で、高エネルギー加速器研究機構で… それぞれ極限の世界とそこで暮らす生物の話を、語り倒す二人の研究者たち。深海で襲いかかるズワイガニの大群、ラピュタに似た熱水マウンド、松阪クラスの硬球が飛び回るイメージの宇宙空間の放射線。読むうちに、科学の楽しさ、奥深さが、どんどんひろがる。科学離れの高校生たちに読ませたい!2016/02/03