内容説明
海に嫁いだ乙女の伝説が生きる国・ガルトリア。開港祭の喧騒の中、天涯孤独の修道女ボニーは両親の仇である青年海賊ファド・ディアスと出会う。潔白を主張する彼の姿に、真実を求めるボニーはあえてファドに「さらわれる」ことを選択! 恋を禁じられた修道女と、華麗で紳士な海の悪党――息もつかせぬときめきと冒険! 第12回えんため大賞<優秀賞>、ガールズノベルズ部門史上最高評価の快作が登場 !!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
梅みかん
8
主役二人もいいけど、伯爵が気になる。彼にも幸せは訪れるのか。2017/06/08
ひめありす@灯れ松明の火
8
『海を愛した』ではなく『海が愛した』女の子。ボニー・ブランシェの物語。少女の仇打ちと、海賊となった青年の兄弟による愛憎劇。二つの家族の物語をメインマストに、伝説の残る海を駆けていくのは、奇跡の乙女の名を頂く海賊船。本当のことを知っているのは水底に潜む阿古屋貝。そこへ辿り着く前に波は揺れ、陸から届かなかった声を海風が浚う。小さな船が揺れるから、だんだん少女も青年も、心まで揺らして行って。そして敗北者が去り、凪いだ海。出向に女は連れて行かれない。だから、海賊に盗んだものは美しい宝石の瞳をもつ修道女の娘。2011/09/15
judy
8
イラスト★★★内容★★★:再読。新人さんながら文章の破綻がなく、お話に集中して読めますね。ヒロインのキャラも好感が持てました。ただ、ファドのキャラ造形が弱いのが惜しい。いつ恋に落ちたのかとか、背負う背景も薄いというか…。今後補足されて魅力に繋がるといいな。王子の手口は私には絶対許せないもので、両親が気の毒でした。(※色々と理不尽で、許せちゃうボニーは淡泊というか優しいというか…う~ん;)設定も“乙女の力+海賊+ボニーの敵討ち+兄弟の愛憎”等盛り込みすぎで、消化不良な点が続巻で解消出来るのを期待します。2011/07/28
しゃちおおかみ
8
海軍贔屓のため海賊イマイチ派だったのですが、ファド、好きですねえ~。ボニーがいつまでもとりあえず修道女なのも納得の理由があって良かった。しかし悔いのないよう描きたいものを詰め込んでしまい結果、決まった展開のためのはしょった文章になってしまっているのが残念。狂気の王子、兄弟の愛憎は温存しておいてまずは主役二人の結びつきに重点置いて描いてくれれば◎だったのに・・・。しかし9人で船動かすのは大変無理があるだろう。少数精鋭大海賊?。2011/04/12
七月せら
7
こうと決めたら迷わず進む勇ましさと、見え隠れする乙女心が可愛いボニー。ある種刹那的な生き方がちょっと危なっかしいけれど、自分の道を真っ直ぐ見つめるファド。お互いどこに惹かれ合ったのかよく分からないけれど……描かれていない部分できっと何かあったのでしょう笑。いろいろ詰め込み過ぎな感はあるけれど、海賊達の絆と信頼が良く描かれていてなかなか楽しい物語。異国風味の煌びやかな衣装や装飾も想像を楽しませてくれます。2016/06/28