内容説明
伊原道場の門弟仲間からいじめを受けていた少年剣士を、縁あって千坂道場へ迎え入れた藤兵衛。だが、それを機に伊原道場との関係が悪化。折しも、旗本茂野家の剣術指南役をめぐる御前試合で伊原道場との対戦が決まる。負ければ道場閉鎖に追い込まれかねない重大な試合に、藤兵衛が用意したのは驚天動地の奇策だった。人気シリーズ、白熱の第八弾！
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
文庫フリーク＠灯れ松明の火
29
シリーズ８弾・安定期に入った感じ。解説・細谷正充さんの句『青蛙 まけるな藤兵衛 是に有り』が的を射過ぎ。改めて表紙を見ると、腰抜け青蛙・いじめられっ子の十郎太と、いじめっ子勝之進の立ち合いが。『青蛙(せいあ)の剣』と云うタイトルから、深尾角馬を連想してしまう私はチャンバラ好きです。2010/09/29
まさみつ
3
打ちのめされる若侍を助けた藤兵衛。彼は心形刀流松井道場の門下生であったが、見た目から門下生に疎んじられていた。彼を道場に引き取った藤兵衛だったが、若侍が要職の息子であったことから、思わぬ指南役争いに巻き込まれてしまう、というお話。だんだん爺ちゃん化する藤兵衛がほほえましく、また成長著しい彦四郎に注目。良い意味で世界が広がってきた1冊。2010/08/17
へたれのけい
1
鳥羽さんの剣での決闘や試合の描写は以前から好きでした。子供の竹刀での立会から真剣勝負まで、十分堪能させて頂きました。2023/05/18
やまほら
1
安定して楽しめるシリーズ。防具をつけての竹刀での試合とか、10代の若者同士の真剣での立ち合いとか、わりと時代小説では珍しい場面が出てきます。育児休業中の里美さんだけど、そろそろ活躍の場が欲しいところ。2013/03/26
m-t
0
孫を抱いて千坂藤兵衛は好々爺のように見えるが、 一刀流中西派の道場主で、剣客である。 相変わらず千坂道場の周りには風雲巻き起こる。 道端で苛められている榊原十郎太を助けたことから、 町道場同士の争いが始まる。 千坂道場の近隣にある伊原道場との争いは、 有力旗本家の剣術指南役を巡る御前試合に。 影で襲ってくる伊原道場側に、千坂道場の面々は 勝つことが出来るのか。 そして脆弱な十郎太の成長は。2010/06/10
