内容説明
ワインバーグは「テストとは、製品の品質についての情報を収集し提供することである」と説いています。テストの結果は幾通りもの解釈が可能であり、とかく人は置かれた立場によって、自分の都合の良いように考えてしまいがちです。
そうした「人間の甘さ」にくぎを刺しながらも、テストの難しさを自らが一番良く知るワインバーグの、エンジニアへの愛情が感じられる一冊です。
目次
どうしてわざわざテストをするのか?そもそもテストの役割とは?
全部テストしたらいいのでは?
テストとデバッグはどう違う?
メタテスト―テストをテストする
知りたくない情報への免疫反応
防衛反応にどう対処するか
良いテストの条件とは?
テストに関するおもな誤謬
テストはキーを打つだけではない〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ipusiron
59
メモ完。2017/07/13
Joe
5
●テストをすればリスクを軽減するための情報が得られる ●テストのルーツは心理学にある。「十分なユニットテスト」に対する考え方は、リスクに対する考え方で変わる。エラーを見逃したらどうなるか示唆すると変わる ●時間制限のヒューリスティックをマネジメントの標語に ●テスト結果は最低3通りの解釈ができないと不十分 ●テストはプロジェクトの前から始まる ●価格設定が認知的不協和を起こす ●上手くいって欲しいと強く願う時は、データに幻想が入り込み易い ●事実と解釈を分ける ●バグ報告が億劫になるとテストレポートは歪む2019/11/28
たいそ
5
ソフトウェアテストによって何がわかるのか、テストに関する誤謬にはどのようなものがあるか。「コンピュータを使わずにテストする方法はいろいろとあるが、脳を使わずにテストする方法は1つもない。」2013/11/28
shachou
3
テスト技法の本ではなく、組織におけるテスト文化や社会学部の要素が強い本。2015/04/13
takam
2
業界を長く見ているワインバーグ氏は本質を見極めており彼がコンサルタントに入ってくれれば救われる業界は多いだろうと思う。私もソフトウェア開発に携わる身だが、彼の発言には腑に落ちることが多い。本作はテストに関する内容で、改めて完璧なソフトウェアとは幻想の賜物でしかないように感じる。テスト駆動開発をはじめとするアジャイルがもてはやされていることも、その考えに起因する。2018/07/20