内容説明
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本書は、第1部では物語構造分析の理論的背景を解説し、第2部では映像作品に対して物語構造分析を適用する場合の具体的な手順を解説する。また、第3部ではCMやアニメ・コミックなどを実際に分析した事例を示す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
wanted-wombat
4
物語構造分析の入門書としてはかなりの良書。題の通り、その理論と技法について基礎からわかりやすく解説し、さらに実例までも示してみせる。本書で言及されている通り、物語構造分析とはその手法でいかに分析するかが肝要なのであって、ある分析結果を当てはめるものではない。例えば、プロップの抽出した物語類型は彼の分析した物語に関しての結果であって、それを他の物語に適用するのは誤りである。最近読んだアーヴィングの小説の台詞が思い起こされる。「よく知りもしないくせに、レッテルを貼らないでくれるか?」2014/03/25
ひつじねこ
2
前半の基礎理論部分は読み流してしまった。学術的に学ぼうとするのであればこの辺りを丁寧に蓄えるべきなのだろうが、どうにもそのような作業は苦手だ。エッセンスだけ掴もうとしてしまう。シェーマ?シーケンス?よくわからない。基本の手順は自分の修論の手法とほぼ同じだったものの、心理学等の知識による補強や、具体的な描写を見逃さないことが収穫か。文中にもあったが、構造分析は作品を切り刻む行為であり、主題には迫れるものの表現方法は無視である。それで見えるようになるものと見えなくなるものがあることを忘れてはいけない。2014/12/09
さぼ
0
② 1部の基礎理論以外は流し読み。思想系の他著と同様要点が平易にまとめられていて読みやすい。物語構造分析(として本書が扱う領域)の手法そのものにとどまり続け、分析のプロセスを具体的に示した本は筆者のいうように珍しいのかもしれない。物語構造分析に使い道のある人には面白いのかも。2014/07/13