内容説明
恋に破れた「炎の闘牛」、柔道部の牛園くん。それでも遠子を思いきれず、思い出が欲しいと心葉【このは】に詰め寄り……『“文学少女”と炎を上げる牛魔王【ミノタウロス】』、クラスにも、気安い笑顔を向けてくる担任の竹田千愛先生にもなじめない中学生の仔鹿だが──『迷える仔鹿【バンビ】と嘘つき人形【ドール】』ほか、遠子の想いを目にした紗代や、夕歌と毬谷先生の出会いなど、甘くほろ苦いエピソードが満載! 物語を食べちゃうくらい愛する“文学少女”と、彼女を取り巻く人々の、恋する挿話集第3弾!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yobata
72
文学少女短編集,3作目。牛魔王の遠子への恋物語再び,「水妖」での沙代ちゃん視点の話,夕歌と毬谷の出会い話,毬谷のその後と再び出会った歌姫の話,麻貴と流人の子供の遠子と叶子さんの呼び名,教師になった竹田千愛の話2話,そしておやつ『好色五人女』『谷間』の全10話。牛魔王めげずに再びwしかしかなり男前になったなw『潮騒』の千代子っぷり見事なりw沙代ちゃんはそんな早くからゆり様と同視してたんだねwしかし遠子先輩の影響力は相変わらずハンパないなwそして心葉への思いを沙代にだけ打ち明ける所は泣ける。夕歌と毬谷の話は→2013/09/06
扉のこちら側
66
初読。シリーズ物の番外編ゆえに、様々な人物の物語が楽しめる。千愛が変わっていくところなど、切ない話が多かった。2010/05/11
くろり - しろくろりちよ
56
夕歌の過去、毬谷のそれから、そして大人になった竹田さん。竹田さんがまさか学校の先生になっているとは。相変わらず、道化ではあるけれど。流人と一緒にいて、生徒を助けることが出来て、少しずつ変わっていってる。そうしても幸せになっていけるといいな。子どもが嫌いでも、流人との子どもなら、愛せるといい。誰もがみんな道化だから。竹田さんに共感する人も多いはず。でも大丈夫だよ、って。一歩踏み出せた竹田さんがすごぉく嬉しい短編でした。2013/01/05
まりも
50
再読。文学少女短編集第三弾。牛魔王こと牛園さん、千愛、夕歌、毬谷たちの恋を描いた話。本編には全く関係のないサブキャラのお話で、こんなに切ない思いになるなんて… 千愛メインの今回ですが、一番印象に残っているのは牛魔王氏のお話ですね。彼の純情な想いが何よりも胸に残りました。野村美月先生が、牛園さんのことも大切に思ってくれている事がすごく伝わって来て何だか嬉しかったです。毬谷と夕歌の話もだけど、今回は特に切なくなる話が多かった気がします。2016/11/06
文庫フリーク@灯れ松明の火
43
「千愛ちゃんが教師になっちまったよ、おまぇさん!」「うぅ・・不意討ちすぎるぜ〈秘密よ。大好きなの〉」「聞いてんのかい?ちぃちゃんたら生徒の前で〈流くんの赤ちゃんが・・欲しい〉だなんて!あぁ大胆素敵」「人間失格がよくぞ言葉にしたもんよ、褒めてやりてぇ。二つ視点もいいがよ、巻頭の独白がよ、〈ああ、これが恋なんだって―〉が味わいぶけぇなぁ」「とうちゃんDVD買って」「了見しねぇな、わが家は先祖代々由緒正しい貧乏人の血統、そこまでハマっちゃあ、ご先祖様に顔向けができねぇ」仕事漬けのGWに文庫フリークコワれました。2010/05/03