内容説明
暗号名ソリッド・スネーク。悪魔の核兵器「メタルギア」を幾度となく破壊し、世界を破滅から救ってきた伝説の男は急速な老化に蝕まれていた……。戦争経済に支配された世界と、自らの呪われた運命からの解放のため、伝説の英雄ソリッド・スネーク最後の戦いが始まる。全世界でシリーズ3300万本を売り上げた大ヒットゲーム完結編を完全小説化!
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
69
『虐殺器官』に次いで2作品目。ゲームのノベライズだそうでゲームは知らないが、読ませ方のスピード感から言って伊藤計劃の作品世界になっているように感じます。サニーの目玉焼きのシーンがかわいい。2013/09/15
翔亀
47
気晴らしのつもりだった。ゲームのノベライズだもの。ところがどうだ。この重さは。伊藤氏は原作ゲームを愛するが故、自分自身を主張する気は全くなかった、と述べる。物語をどのように語るのかという語り口に小説の神髄がある筈だから、と。確かに人物、世界観、ストーリー(連続ミッション)はゲームそのもの。しかしその土俵(近未来ミリタリーSF)上だからこそなのか、人間の無意識を支配して人類の意識を統一するシステム及び<死>の恐怖、そこからの解放という彼自身のテーマを伸び伸びと書き切っている。ゲームと小説家の奇跡的な出会い。2014/08/18
ehirano1
42
文化的自己複製因子、すなわち「ミーム」の光と影、そしてそこに係る戦士スネーク。しかし、そのスネークでさえ「ミーム」の1因子であったのではないかと思いました。いやしかし、「ミーム」の生みの親がかの「利己的な遺伝子」の作者であるR.ドーキンスで、それが本書のようなファシズムSF小説に組み込まれるとは凄過ぎてワクワクしました。2025/08/24
『よ♪』
42
ゲームクリエイター"小島秀夫"氏の超人気作品のノベライズ。伊藤計劃氏の作品ということで読んでみた。読み終わるのに非常に長~~~く掛かったことから推して知るべし。勿論、計劃氏の筆力は充分に感じ取れる。"軍事社会"、”戦争経済”、"管理社会"への警鐘もわかる。しかしながらノベライズであるのだからわかり易く、読み易くに重点を置いて、エンタメに徹して欲しかった。計劃氏の小島"愛"は溢れるほど伝わってくるが、それが逆に暑苦しく残念。ゲームをコンプした人向けのwiki的解説書とstoryを一緒くたにしてしまった印象。2018/08/11
がらは℃
41
罪を背負いながら生きるもの、いや罪を償わなければ死ねない人々の物語。老いに苦しみながらも、自分のやるべき事をやり通すスネークの姿は痛々しく切ない。。。前作やゲームを詳しく知らなくて戸惑う部分や固有名詞も多かったけど、その辺りの説明も丁寧に有り、単品の作品としても充分に楽しめたと思う。2010/04/25