光文社古典新訳文庫<br> ニーチェからスターリンへ~トロツキー人物論集【1900-1939】~

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光文社古典新訳文庫
ニーチェからスターリンへ~トロツキー人物論集【1900-1939】~

  • ISBN:9784334752026

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内容説明

若きトロツキーがはじめて書いた人物論である「ニーチェ」から、「トルストイ」、「マヤコフスキー」、「ヒトラー」、そして暗殺される一年前に書いた「ヨシフ・スターリン」まで。彼が残した200近い人物論の中から、本邦初訳の5編を含む16編をすべてロシア語原典から訳出。本書を読むことで、登場する人々の重要な一面を知ることになるだけでなく、その時代的状況やトロツキーその人についても知ることができる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

45
敗者の方が奥深い知識と柔軟な思考ができるとするのは、日本特有の判官びいきなのでしょうか。本書はトロツキーの書いた歴史的人物評です。現在これだけが絶版となっていますが、政治でない側面をみてその人物の奥行きを知るにはうってつけの本だと思うのですが…読むべきはスターリンじゃなくて、ニーチェ、ゴーゴリ、トルストイでしょう。饒舌で才気走っているので、文学の才能は一流ではないと思います。とはいえ、政治家が文化的な側面をみせる意外さがあります。政治家と我々との共通言語は政治ではなくて、文化であるべきではないでしょうか。2021/10/16

かふ

13
トロツキーが生前書いた人物評伝。「ニーチェ論」は20歳のときで貴族趣味で好かんみたいな。文学だとイプセンは個人主義だし、トルストイはキリスト教で貴族だし、ゴーゴリは何故かべた褒めなのは下級公務員を描いているからか?一番面白いのは60歳で死ぬ前に書いた「スターリン論」。スターリンはレーニンの死後に袂を分かち亡命先で書いたので罵詈雑言ばかり。孤独なグルジアの田舎者で野蛮で家族に対してまで傲慢なので妻が自殺したとか。私生活まで突っ込んで書いているので面白い。その後にメキシコで暗殺されてしまうんだよな。2017/11/23

ひろゆき

2
最近読んだもののなかでは最高に興奮した一冊となった。ロシア革命の周辺にいた人たちの人物論が中心だが、ニーチェやイプセンなどについても書いていることの驚き。ニーチェの超人哲学について書いたのは二十一歳の作。おおすげえ。距離の取り方が適格だと思うし、その哲学がどのようにも利用可能なことを警告している。ヒトラー、トルストイについてのものも面白かったが、何と言っても直に観察していたスターリンについての「性格規定の試み」が最高。実に怪しい人物の丹念なスケッチ。2017/04/02

のうみそしる

1
時代背景と個人の資質の双方から対象に近づいたり離れたりしながら描写する人物論。トルストイのような存命中の大物にも容赦なく功罪を突きつける。「●●的●●」が多すぎて理解が難しいところもあるが著者の論文などより圧倒的にノっていてグングン読み進めてしまう。「収入が徳に応じて配分されるか(シュモラー氏よ、これは危険だ!)、収入の高い人々の徳が収入に応じて引き上げられるか(シュモラー氏よ、これは不可能だ!)」セルフ突っ込み冴えわたる。ローザとリープクネヒトはべた褒め。2023/09/15

かみかみ

1
評価:★★★★ 弱冠20歳にしてニーチェとゴーリキーに共通点を見出した評論を書くトロツキーの才知に感服。政敵であるスターリンの人物論はやはり辛辣だった。夭折した革命家・スヴェルドロフはかなり高く評価していたのは意外(?)だった。2013/09/23

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