内容説明
信長を信長たらしめた若き日々。
尾張での内戦、運命の桶狭間、美濃攻略戦。
信長の行く手に京の道が拓かれた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんらんしゃ🎡
36
信長本では二人、作品によって扱いが大きく異なる人物がいる。一人は濃姫。山岡荘八版『織田信長』の濃はクレバーで、皮肉を含んだやり取りは信長と似合いの夫婦だった。ただ実際は史料に表れず。もう一人は池田恒興。本により重要な役回りを演じたりそうでなかったり。この本ではそれらの訳をストーリーに落とし込んでいた。なるほどねえ、それもあるかもと思わされてしまう。作家により解釈もデザインも違うのが歴史小説の面白さ。2025/01/04
maito/まいと
5
尾張統一~桶狭間~美濃攻略までを描いた、若き信長伝説の後編。ここまでの話しでも、信長は戦上手というより、卓越した先見性と果敢な決断力の持ち主だったことが伺えて興味深い。奇襲ではなく正面攻勢の桶狭間といった最新の研究に基づいた内容あり、大目標を達成して放心状態の信長ありと、読んだことのない信長が広がっている。続編期待☆2010/04/19
史
4
信長、織田家の隆盛期に至るまでのお話。天下布武宣言の一歩手前で終わってしまうのも予想外。しかしすでに決着はついているようなものなのでそれはよし。苛烈さよりも知的な織田信長の物語なのは少しらしさがないけれども、たまにはこういうのも良いかもしれない。2024/10/09
フックン
3
尾張統一から美濃制覇までの青年信長の成長期。部下が死んで泣いたり、信じていた家臣に裏切られてショックを受けたりなどの弱い人間的な面や、詐術を駆使しての尾張統一・身内への冷徹な処分など強い超人的な面もみえてくる。柴田を一喝でしりぞけるところなど後の覇王としての片鱗が。力作でした。2010/12/07
鬼山とんぼ
1
作者は後に「天才」という呼称も付けるほど信長を評価しておりメインとした作品もこれで三作目。脚色、創作による追加は当然あろうが、目的のためには手段を選ばず残虐行為も辞さない信長という日本史上の破格な人物が誕生した経緯を描くために本作を書いたのだと思う。裏切りと闘争に明け暮れた父の影響、商人・交易中心の南尾張の気風、鉄砲という軍事技術の革命期が、一種の怪物を生み出したと理解した。旧来の習慣に拘らない彼の性格が秀吉をはじめ有能な人材を引き寄せ、歴史に大きな変曲点をもたらしたと感じた。信長が出る物語はみな面白い。2023/06/04
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