内容説明
織田信長の青春記を描く歴史巨編。
尾張守護代の一家臣の身で三河、美濃を席巻した
織田信長の父・信秀の苛烈な生涯と家出少年・信長の放浪を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんらんしゃ🎡
36
▼新年は信長本だ。ニッポンの夜明けだ。これ、ホントなら信長が天下統一した時にいう言葉だった。「ニッポンの夜明けだぎゃあ」 それが徳川政権の失われた300年で龍馬の名言になってしまった。▼この本は信長の出生時から始まる。だから信長本なのにオヤジの話ばかりだ。でもまあよい。独力で生きてきたかに思われる信長も、やっぱりオヤジさんの影響は大きかったのだ。 2025/01/01
maito/まいと
5
尾張弁丸出しの野心家の信秀と、駆け出しの天才信長の親子2代の物語。これまでクローズアップされてこなかった信秀の物語がとっても新鮮。そして信長との絆が描かれていて、子は父の背中を追いかけていくという、信長のイメージから想像しづらい展開に胸躍る。信秀の出番は中盤までで、あとは信長の若き戦いがメインへ。これまでの小説では大きく扱われない信長創世記へ・・・2010/04/18
フックン
4
信秀の代から、信長の代へ。野心家・策略家という一面もあれば、家族思いの父・家来思いの主君といろんな面を見せる信秀像が描かれています。この父の跡を継ぎ、身内・家臣・隣国との際限ない戦いの世界に信長はいよいよ漕ぎ出します。2010/12/01
史
3
岐阜を得てからの方(正確には桶狭間の戦いである)がよく物語の中枢になっている織田信長。この話においてはそれ以前の話が軸となり、そうなると織田信秀が中心となっていくのも必然か。覇王の親もまた覇王の断片があるかな。そんな尾張統一以前の織田家の物語。さて後半はどうなるか。2024/10/08
ほっしー
3
信秀のキャラクター・造形が新鮮で面白い。津島・熱田と織田家の関係性や成り立ちに着目し、少年から青年期の信長の「うつけぶり」を描いた設定はなかなかの説得力がある。有名な信秀葬儀の場面や、道三との聖徳寺での対面シーンの背景が、人物の心理描写とともに丁寧に描かれており、まさに「蒼き信長」のタイトル通り生き生きしていて面白かった。2011/10/26