ハヤカワ・ミステリ文庫<br> 飛越

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ハヤカワ・ミステリ文庫
飛越

  • ISBN:9784150707064

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内容説明

〔競馬シリーズ〕前任の厩務長も臨時雇いの厩務員も次々と行方不明となり、空輸中の馬が異様な興奮を示す――競走馬の空輸をめぐり何か恐るべき企みが遂行されている! 厩務長に身をやつしたヘンリイ伯爵は、かくて単身調査に乗り出していったが……競馬の世界に生きる男の孤独な戦いをサスペンスフルに描く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

背番号10@せばてん。

29
1996年8月18日読了。競馬シリーズ第5弾。ディック・フランシス、2010年永眠。自分に多大なる影響を与えてくれた、巨星に心より合掌。(2018年12月18日入力)1996/08/18

ぺぱごじら

19
初読から20年以上経っても冒頭の姉の罵声はちゃんと記憶の中に(笑)。家柄の良さが自分に対する(善悪問わず)真っ当な評価を妨げていると考え、自分の心に城塞を築いて閉じ籠る主人公。あの頃何となく共感できたその言動が、些か幼く感じられたりする自分に『…齢とったな』と感じたり(苦笑)。ストーリーについては、いつか評論家の北上次郎氏が『何故にそこまで闘うのか』と評した通り、主人公がぐいぐい事件に首を突っ込む様がややもすると不自然にみえたりするけど、一人一人の描写はとても良く、やはりフランシスは面白い。2014-102014/01/25

bapaksejahtera

17
主人公は伯爵の息子。所有地は既に無く大邸宅のみで流動資産が乏しい為、家族らは金持ちの娘を配せんと煩い。本人はそれを逃れアマチュア障害騎手を楽しみ、その賞金でセスナ運転に興ずる。本業として馬匹運送業者に雇用される処、そいつが悪い奴で..という次第。その会社の男達が次々姿を消して主人公もその怪しさに気づくが、美しいイタリア娘との恋愛や貴族の彼を敵視するサイコな同僚の動きが目眩ましとなり、終に搬送先のイタリアで窮地に陥る。怪しの運送業社長の従業員安定確保策が疑われるし、あれこれ都合も良すぎるが、安心作ではある。2022/07/05

bookkeeper

12
★★★★★ 主人公は伯爵位を持った馬匹輸送機パイロット。競馬シリーズで最も好きなお話し。人間消失の謎。爵位を知るや歪んだ怒りをぶつけてくる危険な男や冷酷で不気味な黒幕に捕らわれて、絶対絶命の危機をどう切り抜けるかというサスペンス。そしてど真ん中のラブストーリー! 大空に出て友と出会い恋を知り、主人公は境遇から解放されて自分らしさを取り戻していく。そんな彼をちゃんと理解しているガブリエラが最高に愛おしく、敵の銃弾が憎い。「あなたは、証明してみせる必要があるの。自分が…真実の存在であることを」 2018/06/09

たこやき

11
物語の半分を過ぎるまでは、伯爵家に生まれたヘンリイの葛藤、空輸請負厩務員の生活、ミラノで出会った女性との恋……と青春小説そのもの。それが、後半になって一気にミステリへ。日常の中にあった伏線がビシバシ決まってくる。そして、真相を読んで思ったのは「当時の世界情勢はこうだったな」というもの。これまでに読んだ作品も含め、フランシス作品には古さを感じたことが無かったが故に全く意識していなかった。2013年という年に読んだからこそ、刊行当時に読んだ人とは異なったサプライズを楽しめたのではないかと思う。2013/01/15

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