内容説明
歴史学者・須貝彰は、南仏の図書館で世紀の発見をした。異端としてカトリックに憎悪され、十字軍の総攻撃を受けたカタリ派についての古文書を探りあてたのだ。運命的に出会った精神科医クリスチーヌ・サンドルとともに、須貝は、後世に密かに伝えられた“人間の大罪”を追い始める。構想三十年、時代に翻弄された市井の男女を描き続ける作家が全身全霊をこめた、歴史ミステリ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
yoshida
144
カトリックから弾圧され徹底的な迫害を受けたカタリ派。歴史学者の須貝はカタリ派の研究の為、南仏へ赴く。カタリ派弾圧の資料を発見した須貝は研究会で発表。更なる調査を続ける。カタリ派の弾圧はカトリックの明かしたくないタブー。カタリ派の調査を続けるにつれ、須貝の周りに死者が出る。そこまでして隠さねばならないカトリックの大罪とは何か。カタリ派への十字軍派遣と酷い処刑。現在のフランス建国の歴史、そしてオキシタン語など新たに知ることばかり。歴史は勝者により造られる。しかし敗者も僅かな痕跡は努力で残る。重厚感溢れる作品。2017/05/04
ehirano1
86
カタリ派は自称ではなく、あくまでローマ教会が押し付けた呼称とのこと。これは知りませんでした。こういう類の事は他にも沢山あるんでしょうね。特に異端とされた教義については。しかし、語源はドイツ語のKetterで「神から愛される者」という意味が込められているのはなんとも美しいです。2025/07/27
ehirano1
86
「アキラ、私たち歴史家の仕事は・・・私たちはそれまで見えなかった過去を見えるようにしなければならない。見えているのに気づかなかったり、見ようともしなかった過去を明瞭にするのが任務だよ」。だから本書の主人公は『手稿』に拘ったのだということが理解できます。2021/11/26
ehirano1
81
カタリ派信仰の柱が「善悪二元論」と「キリスト仮幻説」で、三位一体も認めず、キリストの復活を否定・・・・この世の目に見えるモノは全て悪の具現であり、不可視的なものその神の創造物で、キリストが人の形取ったとすれば、悪の産物となってしまう、と。なるほどこれは分かり易いですね。2021/01/16
ehirano1
78
「オクシタニア(佐藤賢一)」を思い出し、出てくる用語がいろいろと懐かしいです。しかし物語は上述のオクシタニアとは全く異なり、D.ブラウン系(ダビンチコード、インフェルノ等)のような感じがします。そうであれば、クリスチーヌがかなり怪しい、ということになりますねwww。2020/03/15
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