内容説明
自主制作映画に参加することになった芸大生の二見遭一。その映画は天才と噂される最原最早の監督作品だった。彼女のコンテは二見を魅了し、恐るべきことに二日以上もの間読み続けさせてしまうほどであった。二見はその後、自分が死んだ最原の恋人の代役であることを知るものの、彼女が撮る映画、そして彼女自身への興味が先立ち、次第に撮影へとのめりこんでいく。 しかし、映画が完成したとき、最原は謎の失踪を遂げる。ある医大生から最原の作る映像の秘密を知らされた二見は、彼女の本当の目的を推理し、それに挑もうとするが――。 第16回電撃小説大賞<メディアワークス文庫賞>受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
た〜
229
ラブコメかと思いきやなかなかのホラーだったり、フェイクの伏線が張り巡らされていたり。笑い転げながら恐怖に鳥肌です2012/05/01
流言
199
天才をどう描くか? というのはクリエイターにとって究極の問いかけである。貧しいセンスでは薄っぺらな才人しか書けないし、潤沢な才能からは様々な賢才が生まれる。そういう意味では、本作の最原最早は立派に天才としての役目を務め上げた。ストーリーはコンパクトにまとまっていながら登場人物一人一人のキャラクターがしっかり立っているしラストも強烈なインパクトを残す。早く読み進めたい! と思うことは多くても作品が終わるのがもったいなくて、もっとこの作品に浸っていたいという思いで読み進めたくなくなったのは初めての経験でした。2013/05/09
まりも
174
再読。野崎まどと言えば全てをひっくり返す最後の大オチが最大の魅力なんですが今作はその中でも本当に最後のためだけにすべての展開が存在しており最後の十数ページが恐ろしい密度を誇っている。軽い掛け合い、二見の努力そして最原とのハッピーエンドにほっと一息ついたと思ったらこのホラーですよ。たった一人の天才が全てを動かしていた物語。2はこれからパーフェクトフレンド全てを繋げた作品らしいので楽しみです。2014/07/02
マーム
168
天才美少女監督最原最早が作る映画『アムリタ』の謎を巡る物語。二見と最原のボケとツッコミのやりとりがおかしくて一気に物語に引き込まれ、これはユーモアミステリーの類かな?と思った時点で既に著者の術中に陥っていたのかもしれません。映画『アムリタ』は「神様の作った映画」そして「人を殺す映画」。一時期話題になったサブリミナル効果の例からするとこういう映像も可能なのかもと思えるところが空恐ろしい。この映画を作ろうと思った彼女の気持ちと真相を知った時の彼の驚愕とが相まって、ちょっぴり甘く切ない青春ミステリーでした。2012/06/21
kk
133
天才少女のお話。天才が天才であること、それ自体の異常さと畏怖。映像をはじめとする芸術の果てしない可能性と、それに伴うかもしれない底知れなさ。とても工夫の効いた作品で感心したけど、欲を言えば、脇役二人のキャラをもう少し立てたらもっと華やかになるかな。それとも焦点がボヤけちゃうのかな。2019/05/08
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